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【書評】「ネトウヨとパヨク」物江 潤

2021/05/29公開 更新
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「ネトウヨとパヨク」物江 潤


【私の評価】★★☆☆☆(66点)


要約と感想レビュー


対話不能な人々がいる

著者は東北電力に2008年に入社し、偶然にも東日本大震災の前月、2011年2月に退社し、松下政経塾に入塾します。そして2013年には「エネルギー問題について建設的な議論をする場」を作るために福島県で活動していました。そこで出会ったのが、「対話不能な人々」だったのです。


著者が気づいたのは、福島と同じようにネット上にも、「対話不能な人々」がいることです。その典型が「ネトウヨとパヨク」なのです。


著者の考える対話や議論には、次のルールがあります。自らの主張は仮説にすぎないこと、人の発言権を奪わないこと、理由付け(論拠)や事実で、その良し悪しを判定することです。


ネトウヨやパヨクと呼ばれる人を「対話不能な人」と広く定義(p5)

在特会やしばき隊という暴力装置

著者が目指すのは、議論ができる社会です。しかし、実際には「対話不能な人々」は、いつまでたっても議論できる人にはなりません。著者は無力感を感じたようです。しかし、それが日本の社会の現実なのでしょう。


例えば、何でもかんでも安倍首相のせいにしたがる左翼の人たち、何でもかんでも在日韓国人・朝鮮人のせいにする右翼の人たちに、理由や論理は存在しないのです。


そして著者が懸念するのは、ネット上の「ネトウヨとパヨク」が在特会やしばき隊といった組織を作り、実力行使を行って社会を変えようとしていることです。議論もできない勢力が、勢力を拡大しているのです。


ネトウヨやパヨクの終着点・・・在特会やしばき隊・・・社会にも確かな影響を与えているのです(p147)

在特会やしばき隊という暴力装置

「ネトウヨとパヨク」と「在特会としばき隊」の関係を、もう少し深堀りしてほしいと思いました。中には各国の諜報機関や暴力革命を目指す勢力の資金や細胞が関連したものもあると思われるからです。


そうした点を議論することで、「ネトウヨとパヨク」を議論する下地ができるように感じました。物江 さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・『新しい歴史教科書』・・・当時の猛烈な批判と、一読して他の教科書と同様のものに見える『新しい教科書』とのギャップは、マスメディアに対する不信感を覚えるものでした(p26)


・福島県の一部地域では「東電宝くじ」なる言葉が聞かれました。福島第一原発から近距離にある帰還困難区域などでは、四人一世帯あたり約一億円の損害賠償金が支払われたためです(p66)


・ネット空間には・・・安倍首相を下痢野郎と馬鹿にしたり、韓国人をひたすらコケにするばかりで、何ら明確な主張をしない方々です(p84)


▼引用は、この本からです
「ネトウヨとパヨク」物江 潤


【私の評価】★★☆☆☆(66点)


目次

第1章 ステレオタイプなネトウヨ・パヨク論を振り返ろう
第2章 眩暈(めまい)がするような主張を繰り返すネット上の人々
第3章 結論しかない主張は最強である
第4章 無尽蔵のエネルギーが対話相手を疲弊させる
第5章 「真っ白な中高生」に迫るネットの主張
第6章 ネトウヨやパヨクの終着点
終 章 それでも、対話をする心構えを持たなくてはならない



著者経歴

物江潤(ものえ じゅん)・・・1985(昭和60)年、福島県生まれ。2008年、早稲田大学理工学部社会環境工学科を卒業後、東北電力株式会社に入社。2011年2月に退社し、松下政経塾に入塾。現在は地元・福島で塾を経営。


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