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【書評】「人生の「ねじ」を巻く77の教え」日東精工株式会社 企画室

2021/04/30公開 更新
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「人生の「ねじ」を巻く77の教え」日東精工株式会社 企画室


【私の評価】★★★☆☆(75点)


要約と感想レビュー


社員研修用のテキスト

「ねじ」専業メーカーである日東精工の社員研修用のテキスト「リーダーハンドブック」「経営幹部のガイドライン」「ザ・プロフェッショナルへの道」から編集された一冊です。


内容として派手さはありませんが、当たり前のことを当たり前に徹底するということが品質管理を徹底する製造業では大切なのでしょう。特に小さなことを疎かにせず、「ねじがゆるむことのない」ように注意しているようです。


例えば、報告・連絡・相談のところでは、「遅れました」という報告は命令違反と明確です。期日に遅れそうだと気づいたそのときに、速やかに上司に中間報告をして、適当な指示を仰ぐこと、これが正しい報告いうことです。


たとえば、書類がサカサマに差し込んであった・・・エンジンの音がいつもと違う・・・それをすぐに正そうとする心、これは仕事において大切な感覚です(p19)

人材のばらつきを減らす

興味深いところは職場風土についての記載が多いことです。500人規模の会社ですので、人間関係や職場の雰囲気の影響が大きいのかもしれません。人材育成を重視しているということは、ちょっとした人間関係の悪化が職場を混乱させるリスクがあるということ。


製品の品質のばらつきを減らすことも大事ですが、人材のばらつきを減らすことも大事なのでしょう。


この本ではリーダー向けに、現場でトラブル対応で、報告内容について担当者の報告をそのまま鵜呑みにせず、自分で現場を確認することを強調しています。人は信じても、話を信じてはいけないのです。「者に聞くな、物に聞け」ということですね。


「人づくり」には何が必要でしょうか。それには会社の風土が欠かせないと思います・・・時間にルーズな職場風土、ユーモアの通じないギスギスした人間関係、必要なものが、すぐ取り出せないとか、どこに置いておいたかわかりにくいなど・・(p57)

地味だからこそ極める道がある

「ねじ」という地味な製品ですが、地味だからこそ極める道があるのだと感じました。安かろう悪かろうではなく、長期的な品質と信頼があればこそ極小ネジシェア1位を確保しているのでしょう。


社外に依存せず自社オリジナルのテキストで教育している点も真似したいところです。日東精工さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・小さな変化は見過ごしがちです。職場のマナーの乱れが徐々に起こっている。売り上げでも、わずかずつ上がったり下がったりしながら低下傾向を辿る、こういった小変を大変の前触れと受けとめて、早めの対策を講じたいものです(p36)


・技術担当の人が、自分の専門分野をさらに掘り下げていこうとするなら、専門以外の分野にも広く興味を持って勉強することが大切です(p52)


・先様の名前を覚えるコツで、よくいわれるのは次の三点ですね。1名刺交換のときに、お名前の読み方を口に出して確認する。2自己紹介が終わった後、先様のお名前を呼びかけながら話をすすめる。3別れ際に、お名前を呼びながらお礼の言葉を言う(p71)


▼引用は、この本からです
「人生の「ねじ」を巻く77の教え」日東精工株式会社 企画室
日東精工株式会社 企画室、ポプラ社


【私の評価】★★★☆☆(75点)


目次


1 三つの「あ」を武器にして努力しよう――あなたと私の合言葉 
2 「磨く」と「拭く」の大きな違い――光らせるのが「技術」
3 オカシイものをオカシイと感じて動く――全方向へアンテナを 
4 点と点、線と線をつなぐ――情報を確かな判断に
5 「私は会社の歯車だ」といえる自信を――思い上がった発言に要注意
6 照れを捨てて取り組んでみる――伸びる人、伸びない人の違い 
7 仕事の最前線に上司はいないことが多い――指示待ちからの脱却を 
8 「パナシ病」は早期検診で退治しよう――伝染力が強いので要注意 
9 喜びは倍にして悲しみは分け合って――共有することの大切さ   
10 物は取るときよりも置くときに丁寧さを――茶人からのアドバイス 
11 「一」という字を辞書で調べると――日々のサイクル 
12 「できない理由」を分解すれば――三つの「できない」に向き合う 
13 「どうぞお先に」といってみよう――アフター・ユーの効果 
14 大変より小変――事前の対策が肝心 
15 あなたの仕事にキャッチフレーズを――パフォーマンスを際立たせる 
16 フロシキは正方形のように見えて正方形ではない――まずは知識と経験の蓄積を 
17 固い漢字をやわらかく表現する――ほぐすと動きやすくなる 
18 強くなければ美しさは保てない――ムダのない動き
19 忍耐とは希望であると定義しよう――言葉の解釈を前向きに 
20 心の眼を磨けば他人のいいところが見えてくる――感謝の気持ちを持つ


著者経歴


日東精工株式会社・・・1938年創業、東京証券取引所一部上場のねじメーカー。自動車や家電メーカーなどに一般ねじから精密ねじ、さらには極小ねじを供給するほか、ねじ締め機、計測検査機器などモノづくりにおいてなくてはならない基盤製品を生産。本社をおく京都府綾部市を中心に国内、海外(6カ国)へグローバル展開をしながら、人と人とのつながりを大切にする「絆経営」をこころがけている


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