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津田大介とは何者なのか「情報戦争を生き抜く 武器としてのメディアリテラシー」津田大介

2021/01/02公開 更新
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「情報戦争を生き抜く 武器としてのメディアリテラシー」津田大介


【私の評価】★★☆☆☆(65点)


要約と感想レビュー

 津田大介氏が、経済評論家の上念司氏を、名誉毀損で訴えたと聞いて手にした一冊です。


 津田大介氏は、慰安婦像や昭和天皇を燃やすあいちトリエンナーレの美術監督として有名な人です。津田大介氏は、上念司氏のあいちトリエンナーレ等に関して「左翼活動家」という発言に対して、300万円の名誉棄損訴訟を起こしたのだというのです。私には適切な表現に思えますが、真実に近いことをいうと訴えられるので、表現には注意が必要なのでしょう。


 この本では従来の新聞から、ネット空間での情報発信が大きくなり、特にネット右翼が情報操作をしている!ヘイトスピーチが蔓延している!という論点で書かれています。これまで新聞、テレビなどのマスコミや政治の上で、共産勢力やリベラル勢力がうまく情報操作して保守勢力を攻撃してきたのに、逆に攻撃されることが多くなってきたので、困っているのでしょう。


・2014年12月に行われた衆院選挙期間中に投稿された政治関連のツイート・・・5つのパターンが抽出された。そのうち3つのパターンは「安倍政権支持キャンペーン」「反安倍政権ブログへの攻撃」のボット、残り2つのうち一つが「右寄りの立場からの安倍政権批判」・・・これだけの規模の世論工作が行われていたということはツイートを分析して見えてきた「事実」である(p237)


 こうした状況を巻き返すために、自分が批判されるべきことを、相手に対して批判するのは、韓国海軍レーダー照射事件事件と同じ思考だと思いました。追い込まれた状況を打開するために、あいちトリエンナーレ関係で名誉棄損訴訟を起こして、反撃していくということです。津田さんはファクトチェックしていくということですが、自分がファクトチェックされるとまずいのではないでしょうか。


 津田さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・大阪大学大学院の辻大介准教授は・・・1中国と韓国への排外的態度、2保守的・愛国的政治志向の強さ、3政治や社会問題に関するネット上での意見発信・議論への参加という3つの条件を満たすユーザーを「ネット右翼」層と定義(p87)


・新聞最王手の読売新聞と朝日新聞の現在の社員数はどちらも約4500人だが、ネットメディア最王手のヤフーの社員数は6000人を超えている(p127)


・朝日新聞の用語解説では、オルタナティブ・ファクトは「嘘やあいまいな事柄も繰り返して言及することで、事実に基づいていなくても、もう一つの事実になりかねない時代を示す言葉」という意味になっている(p184)


・米国には「FactCheck.org」をはじめ、「ポリティファクト(PokitiFact)や「スノープス(Snopes)」など、政治家や公人の発言の事実関係をチェックする専門機関が多数存在し、ワシントン・ポスト内になる「Fact Checker」など、既存メディアのファクトチェック機能も優秀だ(p224)


・残念ながら韓国や中国関連のニュースで、嫌韓・嫌中意識が強く感じられるコメントが大量に投稿される状況は、以前とそこまで変わらない・・・議論の余地すらないひどいヘイトスピーチが大量に放置されているのが現状だ(p295)


・沖縄県知事の選挙期間中に、当選した玉城デニー候補に対する無数のデマが飛び交った。これに対し、沖縄の県紙である琉球新報と沖縄タイムズはデマに対する「ファクトチェック」を行い、選挙期間中に紙面やウェブで間違いを丹念に指摘し、つぶしていった(p346)


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▼引用は、この本からです
「情報戦争を生き抜く 武器としてのメディアリテラシー」津田大介


【私の評価】★★☆☆☆(65点)



目次

第1章 問われるプラットフォームの責任
第2章 情報汚染の正体
第3章 生き残りを懸けた紙メディア、使命と倫理
第4章 信頼と民主主義を蝕むフェイク
第5章 ネットに蔓延するヘイトスピーチ
終章 誰が情報戦争を終わらせるのか


著者経歴

 津田大介(つだ だいすけ)・・・1973年生まれ。東京都出身。早稲田大学社会科学部卒。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ポリタス編集長。早稲田大学文学学術院教授。テレ朝チャンネル2「津田大介日本にプラス+」キャスター。


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