まんがで学ぶ「ことのは!#万葉恋日和」青沼裕貴
2020/12/06公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(73点)
要約と感想レビュー
万葉集の5人の登場人物を漫画で解説するわかりやすい解説書です。古代のお金持ちは婚姻関係と権力闘争がリンクしていたことがわかります。天智天皇が娘を天武天皇に与え、天武天皇の妻の額田王(ぬかたのおおきみ)をもらい受けているとはびっくりしました。
古代の人びとも私達と同じ人間であり、喜び楽しみ人生をすごしたことが伝わってきました。中国を統一した唐に対して、中国の文字を使いながら日本の歌を歌うことで文化的に対抗していたのでしょう。
とっつきにくい万葉集をコミックとして身近なものとしてに興味を持ってもらうのに良い一冊だと思いました。青沼さん、良いマンガをありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・万葉集には、序文やあとがきが無く、編者の名前も書かれていません・・・巻17から20は、大伴家持(718?~85)の歌ばかりで、他人の歌も、家持が聞き取って記録したものです。まるで家持の日記のようなのです(p19)
・万葉集の磐姫は、嫉妬深いという面は見せず、煩悶しながらひたすら天皇の帰りを待つ女性として描かれています。万葉集の時代は、男が女のもとに通うのが結婚の習いでしたから、恋歌では「待つ」が女性の基本ポーズです(p39)
・古代の日本の社会には不思議なところがあって、天皇位を初めとして、氏族の長の地位は父から息子へと引き継がれるのですが、息子がたくたん居る場合、誰が選ばれるのかには、母親がどういう身分の出身であるかが大きくものを言いました(p110)
【私の評価】★★★☆☆(73点)
著者経歴
青沼裕貴(あおぬま・ゆうき)・・・漫画家。studio BLUPO共同代表。東京大学文学部卒。競技ダンス部OB。村山由佳原作『おいしいコーヒーのいれ方』、早貸久敏原作『CLOUDIA』作画連載中。
鉄野昌弘(てつの・まさひろ)・・・東京大学文学部教授。東京大学文学部卒。専門は上代日本文学。著書に『大伴家持「歌日誌」論考』(塙書房)、『日本人のこころの言葉 大伴家持』(創元社)など。
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