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人事担当者向け「組織と働き方を「変える・変えない・先延ばす」さて、どうする」上村紀夫

2020/12/01公開 更新
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【私の評価】★★★☆☆(72点)


要約と感想レビュー

■著者は産業医として組織と関わりながら
 人事担当者への支援・コンサルを
 行っているとのこと。


 最近はワークライフバランスで残業が減り、
 コロナ禍の影響で在宅勤務が増え、
 オフィスの環境は大きく変わりました。


 こうした変化の時代に
 人事担当者はどのように考え、
 判断すればいいのか、
 アドバイスする内容となっています。


・変化はいい事も悪い事もストレスになる・・・変化への適応は精神的なエネルギーを消費する、ということです(p252)


■全体的な傾向としては、
 働き方改革という外部の圧力や
 若年者の退職増加を避けるために
 働きやすさを過度に求める施策が
 採用されがちだという。


 その結果、仕事の質が落ちたり、
 組織の活性が落ちている場合が
 多いというのです。


 本書では具体的には
 在宅勤務を続けるか、やめるか、
 流行りのフリーアドレスはどうか
 副業を許容するか、しないか、
 などのケースを示しています。


 働き方改革の施策を決定する際には、
 プラスの効果だけでなく
 マイナスの効果も予測したうえで
 決断する必要があるのでしょう。


・社員がいなくては元も子もないという事情から、働きやすさを過度に求める施策に走り、結果的に働きやすさばかりがまして今ひとつ活性がない組織が形成されていくといった流れです(p94)


■働き方改革の中で、
 仕事の質を維持しながら
 勤務時間を減らすことが
 求められています。


 矛盾するようですが、
 やり方によっては成果を出しながら
 労働時間を減らした事例もありますので、
 試行錯誤するしかないのでしょう。


 社会全体として労働時間短縮を
 考えるようになってきたのは
 良い傾向だと思います。


 上村さん、
 良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・いじめや体罰問題への対策として、等に学校といった教育の現場から理不尽を排除しようという動きが加速しました・・・社会に出た瞬間から社会人として理不尽を味わうことにより、離職やメンタルダウンといった結果に至るケースが多々見られます(p75)


・応援部や、華道、茶道など上下関係が色濃く残っている世界を経験している人材は、比較的ストレス耐性は高いように思われます(p78)


・組織活性の源泉は個人、つまり社員一人ひとりの個人活性の集合体で成り立っています。個人活性は3つの要素から成り立ちます。○心身コンディション○働きやすさ○働きがい(p95)


・個人で発生したマイナス感情の蓄積が組織内で感染症のように広がり、組織活性全体に影響を与える(p99)


・コロナ後の在宅勤務は、プラス効果を得た会社より組織のパワーを失った会社の方が多い(p149)


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▼引用は、この本からです

上村紀夫、クロスメディア・パブリッシング


【私の評価】★★★☆☆(72点)


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目次

第1章 モヤモヤ1 一度変えた組織運営続ける?元に戻す?
第2章 モヤモヤ2 社員と会社の価値観のちがい、どううめる?
第3章 モヤモヤ3 社員の気持ちにどこまでこたえる?
第4章 「変える?変えない?先延ばす?」をどう解決するか
第5章 フレームワークで施策の導入可否を判断する
第6章 パラダイムシフトをチャンスと考える方法


著者経歴

 上村紀夫(うえむら のりお)・・・株式会社エリクシア代表取締役・医師・産業医・経営学修士(MBA)。1976年生まれ。名古屋市立大学医学部卒業後、病院勤務を経て、2008年ロンドン大学ロンドンビジネススクールにてMBAを取得。戦略系コンサルティングファームを経て、2009年「医療・心理・経営の要素を用いた『ココロを扱うコンサルティングファーム』」として株式会社エリクシアを設立。これまで30,000件以上の産業医面談、年間1,000以上の組織への従業員サーベイを基に、心理的アプローチによる労使トラブル解決やメンタルヘルス対策の構築、離職対策のコンサルティング、研修、講演などを行う。


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