「人生を変える「本当の感謝」─心の奥底にある本当の自分を引き出す方法」山田俊明

【私の評価】★★★☆☆（77点）

要約と感想レビュー

悩みや不満を紙に書き出す

著者は39歳のとき勤務先の業績悪化でリストラされ、収入が減ってうつ病になってしまいました。さらに交際していた女性にも振られ、精神病院で薬をもらって通院することとなったのです。そうした中で出会ったのが佐藤康行氏の「真我開発講座」でした。

「真我開発講座」では、本当の自分を取り戻すために「心のゴミ出し」をするのだという。「心のゴミ出し」とは、それまでの悩みや不満を紙に書き出すこと。なんとなく頭の中にあった不安を見える形にするのです。そして、つらい記憶や思い出を180度書き換えるというワークを行います。つまり、辛かったこと、苦しかったことが実は自分に大切なことを教えてくれるメッセージだったのだ、という捉え方をするのです。

・現在抱える悩みや不満を紙に徹底的に書き出し、それをゴミとしてすべて捨てるという作業をします。これを「心のゴミ出し」と言います（ｐ36）

もともとあなたは成功している

つまり、「真我」とは、「もともと成功している最高のあなた（本当の自分）」が心の一番奥におり、それを出せばよいという考え方なのです。そして邪魔になっている、ゴミをすてるのが、「心のゴミ出し」なのです。

ひまわりはひまわりで素晴らしい。朝顔は朝顔で素晴らしい。自分は自分で素晴らしいのに、人間だけが、あの人のようになれば幸福になるとか、あの人のようになっては不幸だとか、どこか他人と比較することで不幸になっているのです。

・過去に対する意識や捉え方を変えることができることを初めて体感しました。そして、自分の中の心のゴミだと思っていたつらい出来事が、実は自分の人生にとって貴重な体験＝宝だった・・（ｐ69）

苦しいことは自分を向上させてくれるメッセージ

良いことには感謝し、苦しいことは自分を向上させてくれるメッセージと考えるということでしょう。人は頭が良いので、考えすぎてしまったり自分の価値観で裁いたりする動物のようです。著者も昔は執着心が強く、「自分が正しい」と思って多くの失敗をしてきたという。

だからこそ、自分は今のままで十分素晴らしいのであり、自分らしく生きていいのだ、ということを再認識することが大事なのでしょう。山田さん、良い本をありがとうございました。

この本で私が共感した名言

・変化した自分を認めてあげることです・・・美点発見・・・正確には、昨日までの自分、あるいか過去の自分と比較して成長・変化したことを認めるということです（ｐ70）

・長期的に繁栄している会社は、自分のことだけでなく、業界や社会全体のことを考えて経営しており、敵やライバルが少ないという共通点があります（ｐ169）

・棺桶の中の父の顔を改めて覗きました。寝ているようにしか見えませんでしたが、その時、「小さい頃キャッチボールした思い出」がふと蘇り、涙が止まらなくなりました（ｐ6）

▼引用は、この本からです

山田俊明、自由国民社

【私の評価】★★★☆☆（77点）

目次

第１章 頭ではなく心から「感謝」することの重要性
第２章 心を掘り下げて「本当の自分」を引き出す５つの実践法
第３章 誰でも人間関係を最高に改善できる「真我５つの習慣」
第４章　「本当の感謝」をすると世界が変わる
第５章 「本当の感謝」の連鎖が創る新たな世界とは？

著者経歴

山田 俊明 （やまだ　としあき）・・・一般社団法人SIA 心のゼロ経営プロジェクト代表理事 アクスビー株式会社代表取締役 「真我（本当の自分）」をベースとした企業経営をサポートするコンサルタント。明治大学経営学部を卒業後、野村證券に入社。その後、IRコンサルティング会社、外資系メーカー等を経て、ITベンチャー企業の設立に参画。数年後、同社が事業から撤退・倒産、実質的にリストラとなった39 歳のとき、うつ病になり、心の学校グループ創始者佐藤康行氏の元で「真我」を知り、実践することでうつが寛解（かんかい）。2008 年、40 歳で起業し、アクスビー株式会社を設立、代表取締役に就任。「真我」を自社の経営や営業で実践したことで、起業10年目で、契約クライアント企業数は約100 社に。令和元年より、SIA（＝Shinga de Issyo Antai）というコンセプトのオンライン経営支援サービスを立ち上げ、一般社団法人SIA心のゼロ経営プロジェクトを発足。

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