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「ワーク・ルールズ! 君の生き方とリーダーシップを変える」ラズロ・ボック

2020/02/20公開 更新
本のソムリエ
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【私の評価】★★★★☆(82点)


■グーグルの人事担当上級副社長が
 教えるグーグルの採用の考え方と
 人事評価の仕組みです。


 グーグルの採用から見えるのは
 学歴と良い人材との相関が低いこと。


 良い人材と相関が高いのは
 グーグルの社員からの紹介に
 あるのだという。


 次に良い人材と相関が高いのが、
 仕事のサンプルを与え評価する
 ワークサンプルテストです。


・ある人の職務能力を予測するための最善の指標は,ワークサンプルテストである(29%)。これは採用された場合に担当する職務に似た仕事のサンプルを応募者に与え,その出来栄えを評価するものだ。実際の職務能力は,他人との協調能力,不確実な状況への適応力,学習能力など,さまざまなスキルに左右されるから,ワークサンプルテストといえでも職務能力を完全にに予測することはできない(p152)


■人事評価についても
 評価のデータを重要視しており、
 数値を分析していることが
 印象的でした。


 グーグルでは普通の会社と同じように
 上司が部下を評価しますが、
 部下も上司を評価するのです。


 そして、異動によって組み合わせが
 変わると、それらの評価がどう
 変わるのか分析しているのです。


 さらには、評価の悪い上司に
 フィードバックしたうえで、
 部下の評価が変わるのかどうか
 測定しています。


・やはりマネジャーによって差がついた!より悪いマネジャーのもとに異動した65人は,グーグルガイストの42項目のうち34項目でスコアがきわめて低くなった。翌年,より良いマネジャーのもとに異動した社員は,42項目のうち6項目でスコアが大幅に改善した。変化が大きかったのは,定着率,業績管理への信頼度,キャリア開発度を測る質問に関するものだった(p310)


■グーグルの人事部は
 人事の検索システムを作ろうと
 しているのだなと思いました。


 グーグルはキーワードにぴったりの
 サイトを高速に検索してくれますが、
 グーグルの人事部は必要な人材を
 高速で検索しようとしているのです。


 数字で分析するところが
 ポイントなのでしょう。


 ボックさん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・自分より優秀な人だけを雇う(p113)


・創業以来長きにわたり,わが社にとって最高の人材供給源は既存社員からの紹介だった(p133)


・無能な人材や社内政治が好きな人々はチーム全体に悪影響を及ぼす・・(p130)


・年に数千人の新入社員を雇う必要が出てくると,最高の人材の多くはそうした学校(スタンフォード,ハーバード,MIT・・)へ行っていないことがわかってきた(p115)


・他社と同じくわが社でも身元照会を行っていたが,その一方で求職者追跡システムを構築していた。求職者の履歴書を在職中のグーグラーの履歴書と突き合わせ,重複があれば自動的にそのグーグラーに照会メールが送られる・・この手法によって「上司にへつらい,部下を蹴飛ばす」人がふるい落とされた(p123)


・マネジャーに対する具体的な処方箋としては,ミーティングでは滔々と答えを述べるのではなく質問するようにと言いたい(p312)


・グーグルの評価システムの特徴は,直属の上司だけが評価を決定するわけではないところにあった(いまでもそうだ)。マネジャーがある社員に叩き台になる評価をつける・・この評価案が最終評価になる前に,マネジャーのグループが集まって部下の評価案をもとに検討する。私たちはこの手続きをキャリブレーションと呼んでいる(p264)


・仕事のやり方に関するラリーとセルゲイの考え方は,幼少期における学校での経験からも影響を受けている。セルゲイはこう語っている。「私はモンテッソーリ教育の恩恵を受けたと思っています。この教育法は,生徒が自分のペースで活動する自由を存分に与えてくれます」(p40)


・週に1度の金曜夜の全社ミーティング(TGIF,数千人が直接,またビデオを通じて参加し,数万人がオンラインで再放送を視聴する)で,ラリーとセルゲイは会社全体のホスト役を務める(p75)


・社員に自由を与えれば,驚くようなことをしてくれる(p57)


・グーグルの場合は勤務時間の20%を社員に与える。つまりエンジニアは1週間の20%を,日常業務とは別だがグーグルのビジネスに関係すると思われる,自分の興味を引くプロジェクトに回せるのだ(p219)


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ラズロ・ボック、東洋経済新報社

【私の評価】★★★★☆(82点)


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■目次

1章 創業者になろう
2章 文化は戦略を食う
3章 レイク・ウォビゴンの幻想
4章 最高の人材を探す方法
5章 直感を信じてはいけない
6章 避難所の運営は避難所に任せる
7章 誰もが嫌う業績評価と、グーグルがやろうと決めたこと
8章 トップとボトムに注目しようーー二つのテール
9章 学習する組織を築こう
10章 報酬は不公平でいい
11章 タダ(ほぼタダ)ほどステキなものはない
12章 ナッジ/選択の背中を押す
13章 人生は最高のときばかりじゃない
14章 あなたにも明日からできること
人事オタクのためのあとがき


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