【書評】「18歳の著作権入門」福井 健策
2020/02/09公開 更新

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【私の評価】★★★☆☆(72点)
要約と感想レビュー
著作権を知る
著作権の基本についてまとめた一冊です。著作権の例外には、「引用」「個人的な複製」「教育目的の利用」などがあり、その内容は押さえておくべきことなのでしょう。特にネット時代ですので、著作権については基本を知ったうえで行動したいものです。
例えば、「引用」するときには、次の6つの注意点があります。1公表作品であること。未公表作品は、引用できません。手紙は著作物ですが、基本的に未公表作品となりますす。また、手紙を受け取った人は、手紙は自分のものだと考えがちですが、書いた人が著作権を持っています。そして書いた人の同意が無いと公表できないという。
著作権者の許可が要らない制限(例外)・・非営利目的の上演・演奏など(38条)・・充たすべき条件とは何か。3つです。1「非営利目的であること」2「観客などから料金を受け取らないこと」3「実演者・口述者に報酬を払わないこと」、です(p90)
どこまでパクリは許されるのか
著作権はTPP(環太平洋経済連携協定)でも、最も交渉が難しい分野になっています。パクリは許されませんが、パクることでオタクがコミケを楽しんでいる事実もあるのです。
仕事でも著作権は頭の片隅に入れておいて損はないのでしょう。福井さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・70年代の超人気漫画でアニメ化もされた「キャンディ・キャンディ」という作品がありましたが、原作者と漫画家が不和になり、裁判で最高裁までもつれた挙句、お蔵入りになってしまいました(p48)
・ミッフィー対キャシー事件・・この裁判が争われている最中に東日本大震災が起きました。その災禍に胸を痛めたブルーナ側がサンリオに、「お互いに無駄な争いをやめて、その分節約した弁護士費用を被災地に寄付しよう」と提案。サンリオもこれに乗って、めでたく裁判は和解で終了します・・この和解に際してサンリオは、「キャシーの新製品を今後売らない」と表明しています。被災地支援でもきっちり言い分は通す。ミッフィーは意外と交渉上手だったかもしれません(p61)
・JASRAC(ジャスラック)(一般社団法人日本音楽著作権協会)・・使用料は、用途や規模ごとに使用料規定が事前に決まっています。たとえば、CDが製造された場合、定価の約6%が音楽著作権の使用料としてJASRACに支払われます。コンサートなら、80%売れた場合のチケット総額の5%などが音楽使用料分です。放送の場合は・・・およそ、年間の放送事業収入全体の1.5%がJASRACに支払われます(p124)
【私の評価】★★★☆☆(72点)
目次
第1部 基礎知識編
第2部 応用編
著者経歴
福井 健策(ふくい けんさく)・・・弁護士(日本及びニューヨーク)。骨董通り法律事務所 for the Arts 代表。日大芸術学部・神戸大学大学院・iUで客員教授。内閣知財本部・文化庁・デジタルアーカイブ学会・JPASNで委員や理事。
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