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「アンダルシーア風土記」永川 玲二

(2019年11月17日)|本のソムリエ
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【私の評価】★★★★☆(70点)


■アンダルシーアとは、
 スペインのジブラルタル海峡を望む
 南の地域のことである。


 このスペイン南部を中心にイスラム勢力、
 キリスト勢力、ゴート族、ヴァンダル族・・・が
 勢力争いをし、占領し、壊滅し、
 入れ替わっていったのです。


■ヨーロッパの歴史とは、戦い、策謀、
 勢力争いの歴史であるとわかりました。


 勢力争いでまったく安心できないので、
 政略結婚もあれば同盟もあるし、
 裏切りもある。


 陸続きの国々ですので、
 日本人の戦国時代が長く続いた
 という感じなのでしょうか。


■歴史の知識のない私にはまったく手に負えない
 一冊でした。もう少し歴史ものを
 読んでいきたいと思います。


 氷川さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・アンダルシーア農業の大黒柱は三千年後の今でもまだオリーブと葡萄だが、地中海圏の乾いた風土には最適のこの二つの作物を初めてオリエントから持ってきたのも、こちらで栽培に成功したのもフェニキア人だったらしい。とうもろこし、じゃがいも、トマト、ひまわりなどはコロンブスらの中南米みやげ・・(p6)


・いま勢いに乗っているカスティージャ王と戦うには自分たちだけでは力不足だから、どこかよその強国と同盟する必要がある。・・まず頭に浮かぶのは、最近モロッコを統一して大勢力になりつつあるアルモラビデ王朝である・・・ムタミドは、みずから渡海して王と王とで直接交渉しようと決意した。しかしそれを打ち明けられた年長の王子は即座に反対したらしい・・ひさしを貸して母屋を取られたらどうしますか・・・しかし目前の緊急課題はカスティージャ王の大攻勢からいかにして自分の国(セビージャ王国)と家族とを守るかということだ・・長い目でみてどんな結果が出てくるのか、それは自分も分からないが、最悪の事態になったときの覚悟だけはできている・・・(p118)


・たいていの人が十字軍すなわちパレスティナと思い込んでいるらしい・・十字軍はそもそもの発祥のチだけではなく、長いあいだ続いたのも、参加者や犠牲者の数が多いのも、あとあとまで深い傷跡を残したのもすべてイベリアのほうである(p121)


・アルフォンソ七世は・・1146年にはついに古都コルドバに入城した・・対岸モロッコから新興宗教団アルモアーデ(統一派)の大軍がカディス港に押し寄せ・・・アルフォンソ七世は、やむをえず進路を西から東へと切り替え、地中海岸の港町アルメリーアまで軍の主力を移動させる。最近そこに北イタリアのジェノヴァから大船団が到着し、この頑丈な城壁都市を包囲するため彼の協力を求めていた・・ジェノヴァ側の目標は、ひとつでも多く有利な基地を獲得することである(p139)


・この国(スペイン)は今からちょうど一世紀前(1898年)にアメリカ合衆国から強引な戦争を仕掛けられ、キューバ、フィリピンなど海外の主な領土をすべて奪われてしまった。コロンブスやマジェランいらいの大帝国があっというまに崩れ落ちたわけである(p270)


・スペイン帝国衰退の原因・・・ひとつは銀が出たばかりに、皇帝カルロスがカトリック教会の擁護者として西欧全土のプロテスタントを敵にまわして戦うことが可能になり、フェリーペ二世もそれを継続しているうちに、すっかり破産したことである・・・イスラムやユダヤの匂いを排除する異端審問制度をますます強化した・・地道な努力を必要とする産業や金融組織は衰退し、十字軍の騎士気取りの強がりだけが流行るようになった(p279)


永川玲二、岩波書店

【私の評価】★★★★☆(70点)


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■目次

1 ガァダルキビール川
2 イタリカ
3 皇帝たち
4 ゴート族とヴァンダル族
5 タリーファ岬
6 アル・アンダルース
7 唯一の神の名において
8 花の都コルドバ
9 王様と女奴隷
10 レコンキスタの歌
11 シエラ・モレーナ
12 レオノールの系譜
13 水軍ことはじめ
14 黒海から太平洋へ
15 海に生きる
16 サンタ・クルース(聖なる十字架)
17 晩鐘のあと
18 女王イザベル
19 スペイン対ポルトガル
20 リオ・ティント
21 奇跡のあと


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