「なぜ倒産 平成倒産史編」帝国データバンク、東京商工リサーチ

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なぜ倒産 平成倒産史編

【私の評価】★★★★☆(85点)


■タイトル通り平成に倒産した
 20社弱の経営状態を紹介しています。
 紹介している会社は、次のとおり。


呉服販売の「友禅の館」
ヘルメットの「昭栄」、
FA機器の「ナカテック」
空気清浄機の「カンキョー」
かまぼこの「カネテスデリカフーズ」
鍋の「セイコー製作所」、
カメラの「ドイ」
豆腐の「天狗」
選果機の「マキ製作所」
農業機械の「タナカ工業」
工具の「カワカミ」
金属部品の「研精舎」
生花の「ローズネット」
鮮魚の「フィッシュ・ミワ」
フィルムの「ユニテック」
白木屋グランドホテル
和菓子の「花園万頭」


 経営はアートと言われるだけあって
 過剰投資が足を引っ張るパターン、
 在庫が積み上がるパターン、
 経営不在のパターン、
 どんぶり勘定だったり、
 人心掌握ができなかったり。


 経営者はたいへんな職業だと
 思いました。


・着物販売会社の友禅の館は・・
 その仕入れは「無計画だった」・・ 
 ヘルメットメーカーの昭栄化工は
 拡大思考の設備投資が裏目に出ました(p17)


■この本からわかることは、
 銀行融資が止まるようなら
 私的整理または民事再生法の
 適用を申請することです。


 民事再生法なら債務はカットされ、
 事業が黒字なら事業再生の
 可能性は高くなるでしょう。


 ドナルド・トランプなんて
 4回も破産して借金を踏み倒して
 大統領になっている。


 まじめに借金を返そうというのは
 日本人らしい思考なのだと思います。


・経営者なら誰もが「不渡りだけは出すまい」
 と思い、あらゆる措置を取ろうとするものですが、
 これは誤りです。あがけばあがくほど、
 再建の可能性は小さくなります・・・
 ところが、いざ自分のこととなるとできない(p105)


■社長にはあらゆる点で70点以上、
 致命的な失敗をしないことが
 求められているように感じました。


 儲けの出る商品が必要ですし、
 確実に回収できる投資の判断も必要。
 もちろん社員を掌握しなくてはならない。


 社長次第で会社の運命が決まる
 というのは事実だと思いました。
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・成功事例は再現性が低いが、
 失敗事例は再現性が高い。
 言い換えれば「成功はアート、
 失敗はサイエンス」(p3)


・90年、91年頃には昭栄の製品は
 「5割引なんてものもあった」
 (オートバイ用品販売店)という・・
 国内の安売りに関しては、
 「既に辞めた当時の営業担当者が暴走し、
 勝手に小売店にダンピング価格で流したため。
 現在、提訴している」と、
 昭栄では説明する(p27)


・企業再生に携わる人たちは
 口をそろえて、こう言います。
 「粉飾に一度でも手を染めたら、
 そこから逃げ出すのは非常に難しい。
 『今期だけ』のつもりが1年、2年と続き、
 粉飾額は雪だるま式に膨れ上がり、
 ほぼ例外なく倒産する」(p178)


・ドイ[カメラ販売・DPEチェーン]・・
 「おとなしい性格の雅也氏は、
 先代からの幹部たちを掌握することが
 できなかった」と元社員は振り返る・・
 販売部門のベテラン社員を本社に呼び戻して
 管理職に据える人事の慣行から、
 管理部門が肥大化。高コスト体質が
 90年以降の不況で露呈し、
 利益は大幅に減少した(p145)


・天狗[豆腐の製造・販売]・・
 桐生社長は"切れ者"らしく、就任後、
 すぐに"改革"を打ち出した・・・
 新しい製造機械も次々と導入・・・
 残業も大幅に減らすと同時に、
 人員配置の見直しを進めた。
 だが、一連の"改革"は現場に混乱を生み、
 嫌気が差したベテラン社員が次々に
 去り始めた(p159)


・マキ製作所[選果機メーカー]・・
 利幅は大きかったという。といのも、
 農協が払う費用の多くが、自前の資金ではなく、
 国や自治体からの補助金だったからだ。
 「90年代は、購入費用の7割が国からの補助金・・
 技術力の高い同社は、コスト削減に身を
 削らなくても何とか生きていける。
 そんな"恵まれた"環境だった(p169)


・白木屋グランドホテルは有効な対策を
 打ち出せなかった。「"三寒四温"のように、
 それまで旅館の商売は数年おきに好況、
 不況を繰り返した。だから、このときも
 やがて持ち直すと思った」と
 平井社長は振り返る。
 戦略転換しないまま対前年比プラスの
 事業計画を立案し続けた・・
 売上高はピークの3分の1に減少(p258)


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【私の評価】★★★★☆(85点)

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■目次

第1章 倒産は「急成長の証し」でもあった
第2章 「想定外」に長引く不況、変化対応が問われる
第3章 経営者よ、「死に急ぐ」な!
第4章 じわり企業体力奪う「跡取り問題」
第5章 経営者の孤独に付け込む「悪魔のささやき」
第6章 優しい行政、続出する「2度破綻」
第7章 「老舗大倒産時代」の到来
第8章 「倒産というカード」の切り方



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