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「弱さをさらけだす勇気」松岡 修造

2019/10/14公開 更新
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弱さをさらけだす勇気


【私の評価】★★★☆☆(77点)


要約と感想レビュー

松岡 修造さんのイメージは、サービスだけでウィンブルドン大会でベスト4になった実績のすごさです。それと、芸能界に入って熱血指導する濃いキャラクター。その熱血指導のスタイルの背景には、自分自身のカラを破るためにお気軽テニスの慶応義塾高校からテニス強豪高校である柳川高校に転校した経緯があります。柳川高校でのスパルタ練習で松岡修造のテニスは強くなり、インターハイの男子シングルス、男子ダブルス、団体の完全優勝を達成しているのです。


松岡 修造さんは毎日、鏡に映る自分に向かって「誓いの言葉」を大声で言っているという。「独立決断 自分は怪我、病気は絶対しません 怒らず、恐れず、悲しまず 正直、親切、愉快に力と勇気と信念を持って 自己に対する責任を果たし 愛と平和とを失わざる今日一日 (家族の名前)と、おごそかに生きていくことを誓います」中村天風の本を読んでいるように感じました。


・子供たちに求めているのは、消極的なカラを破り捨て、「どんな状況でも自分は大丈夫だ!」と思い込み、勇気を出して行動することです(p170)


プロになって松岡さんは、世界レベルで通用するのはサービスくらい。心が強いわけではなかったのです。そうした弱さを考え方でカバーしてきたという思いがあるのではないでしょうか。それだけ頑張れたのは、自分で選んで決めた道だから。自分のベストを尽くしてきたという思いがあるのでしょう。


実際、松岡 修造さんは現役時代に、何人ものメンタルトレーナーと契約したという。彼らは「こうしなさい」と言うのではなく、話を聞いて、「どうしてそう思うの?」「それで、どうしたいの」と質問をしてくるだけだったというのです。他人に言われるのではなく、自分はなんのためにプレーしているのか、確信が必要なのでしょう。


・いちばん良くないのは、「人に言われたから、こっちでいいか」と、他人に流されるような感覚で行動してしまうことです(p91)


良いプレーをするためには、「勝たなければいけない」ではなく、自分は「できる」と考える必要があるという。だから松岡 修造さんが瞑想したり座禅を組んだりするのは、自分のなかのマイナスを消すためなのです。心の焦りや不安や苦手意識を捨てるのです。


最初は他のスポーツ選手の言葉の引用が多かったのですが、後半は自分の経験を解説してもらってうれしかったです。弱いから努力ができる、弱いから工夫する松岡さんは、弱さを強みに変えたのだと思いました。松岡さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・僕がおすすめするのは、「自分の取扱説明書(トリセツ)」を書くことです・・・
 ・好き・得意な勉強や仕事 
 ・嫌い・苦手な勉強や仕事
 ・長所    ・短所
 ・好き・得意なスポーツ 
 ・趣味・習い事
 ・学校や会社での役割  
 ・その役割のためにしていること
 ・最近読んだ本のタイトル
 ・その本の面白かったところ・・・
 ・将来の夢  
 ・その夢の実現のために頑張っていること
 応用機能「やる気スイッチ」・・をすると元気になり、勉強や仕事を頑張れます。
 使用上のご注意・・(p73)


・「私はすぐにあきらめてしまう弱い性格です」と言う人がいます。でも、すぐにあきらめてしまうのは、その人の性格ではなく、心です(p66)


・ベストをつくした末の敗北や失敗は、「自分には何が足りなかったのか、どうすればよかったのか」という反省につながっていきます(p105)


・大事なところで緊張するのは、「この試合に絶対に勝ちたい」「自分の気持ちをうまく伝えたい」と本気になっている証拠だと思っています・・緊張するのは、いいことなんです!(p194)


弱さをさらけだす勇気
弱さをさらけだす勇気
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松岡 修造
講談社
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【私の評価】★★★☆☆(77点)


目次

はじめに 弱さがあるから、僕たちは強くなれる
序 章 果たされた4年前の「約束」
第1章 「弱さ」を武器にせよ
第2章 夢は「つくる」もの
第3章 崖っぷち、ありがとう!
第4章 本気になるのはカッコいい
第5章 修造流 心のエクササイズ
おわりに 人と比べない、過去の自分と比べない



著者経歴

松岡 修造(まつおか しゅうぞう)・・・1967年、東京都生まれ。10歳から本格的にテニスを始め、慶應義塾高等学校2年生の時、テニスの名門である福岡県の柳川高等学校に編入。その後、単身渡米、86年にプロ転向。95年のウィンブルドン選手権で、日本人男子としては62年ぶりのベスト8進出を果たすなど活躍。98年に現役を卒業。現在はテニス界の発展のため、男子強化プロジェクト「修造チャレンジ」などを通じてジュニアの強化と育成に尽力している。また、オリンピックのメインキャスターを務めるなど、メディアでも幅広く活躍している。


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