「スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術」窪田 順生

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スピンドクター

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■10年前の本ですが、
 マスコミの世論操作(スピン)について
 説明した一冊です。


 著者はテレビ制作会社、「FRIDAY」編集、
 朝日新聞記者を経て、実話メディア
 編集長を務めているという。


 こうした雑誌は、噂やスキャンダル系の
 記事を多く載せる傾向にあります。


 そのため、企業にとって不都合な記事を
 掲載しないことにすることとバーターで
 雑誌の定期購読や広告掲載で稼ぐ
 ビジネスモデルがあるようです。


・「情報」を握り潰すという恩を着せて・・・ジャーナリストが発行する雑誌を・・・年間何千部定期購読するだとか、その雑誌に広告を出稿するだとか・・このような仕事の仕方を、「取り屋」と呼ぶ(p34)


■ちょっと驚いたのは、
 ライブドアの堀江氏逮捕の1年前から
 特捜部が新聞記者を動かして
 堀江氏の周辺情報を収集していたこと。


 堀江氏の容疑は軽微にかかわらず
 逮捕、懲役刑となったことから
 国策捜査とは思っていましたが、
 現場の記者から聞くとびっくりします。


 ニッポン放送を買収しようとしたことが、
 日本の権力の触れてはいけないものに
 触れてしまったのかもしれません。


・「特捜部が堀江を狙っている。どんな些細なことでもいい。女ネタでもクスリや酒の話でもいい。堀江の情報があったらくれないか」そんな相談を某全国紙社会部記者からされたので、・・・堀江氏が逮捕されたのは、それから1年後である(p120)


■発言の一部を切り取る、
 見出しで印象操作する、
 不都合なことは報道しないなど、
 メディアの世論操作は
 何も変わっていないようです。


 だれもが自分の有利なように
 世論を操作しようと
 しているのが現実なのでしょう。


 窪田さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・終戦後、国連調査団が徹底的に探しても、イラクに大量破壊兵器がなかったことはご存知のとおり・・・戦争にはこのようなスピンはつきものである(p21)


・「ちょんまげ議員」として知られた松浪健四郎議員が・・日本テレビのインタビューで、議員宿舎問題についての見解をたずねられて応じたところ、新宿舎に住むのはおかしいというキャスターの売り言葉に買い言葉で、「だったら国会議員になればいい」と言ったらそこだけが切り取られ、放送された(p107)


・『朝日新聞』の峰久和哲・東京本社世論調査部長(当時)がこれを「世論操作」だと認めたうえで・・ここまで誘導して住基ネット導入反対の世論を「作り上げる」のは、明らかに行きすぎ・・報道機関の「世論調査」には、世論を「作り上げる」という側面がある(p7)


・『週間朝日』・・2006年12月8日号で「独走スクープ!安倍首相が広告塔新興宗教彗光塾これだけの脱法行為」・・2007年5月4・11日号では・・暴力団と安倍氏の秘書が関係があるということを仄(ほの)めかす・・安倍氏は怒りをあらわにして・・・「いくら私が憎くて私の内閣を倒そうということでも、まったく事実に基づかない。いわば"言論テロ"だ。報道ではなく政治運動ではないか」(p86)


・音事協でもかなり問題視してるよ・・・音事協とは、日本音楽事業者協会。この名前を出されてしまうと、芸能メディアは例にもれず震え上がる・・テレビ局をはじめ芸能メディアにも圧倒的な影響力を誇っている。芸能界では、音事協に睨まれたら生きていくことは不可能とさえ言われ、いつの間にか芸能界から消えていくタレントもいると聞く(p56)


・記事が人知れずに"消されて"いくなんてことは、メディアの世界では日常茶飯事ということだ。みなさんが目にしている「情報」はほんの氷山の一角。世に報じられない情報の方が圧倒的に多いのである(p30)


・「なにか書いたらすぐに訴えるぞ」という姿勢を見せられたら、萎縮してしまうメディアも少なくない・・最近はすぐに「名誉を著しく毀損された」・・として、訴状を送りつけてくる御仁が多い(p154)


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【私の評価】★★★☆☆(79点)

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■目次

第1章 闇に葬り去られる記事
第2章 スキャンダルをモミ消せ!
第3章 国家のスピン
第4章 官僚たちのスピン
第5章 選挙というスピン合戦
第6章 異形のスピンドクターたち
第7章 新たな「スピン」の台頭



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