「銀二貫」高田 郁
2019/09/02|

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【私の評価】★★★☆☆(79点)
■NHKドラマの原作ということで
手にした一冊です。
タイトルの「銀二貫」とは,
仇討ちで殺された侍の息子を
寒天問屋が銀二貫で買い受ける
ところから話が進むからです。
この銀二貫は、大火で焼失した
京都天満天神宮への寄進のための
大金だったのです。
銀二貫は小判にすると33両にも
なるという。
■買い取られた侍の息子は松吉と改名し、
寒天問屋の丁稚として働きはじめます。
松吉にも好きになった女性ができますが、
大火で行方知れずとなります。
修業を続ける松吉は、
その女性と再会するのですが、
女性は顔半分に火傷を負い、
大火で助けられた女性と
生活しているという。
最後にはこの女性と・・・
もうわかりますね。
・一里の道は一歩では行かれへん。けんど一歩一歩、弛(たゆ)まんと歩き続けたら、必ず一里先に辿り着ける。お前はんは、もう歩き出したんや。転んだなら立ち上がったらええ。簡単に諦めたらあかんで(p312)
■わざとらしい設定でしたが、
江戸の時代を体験できるようで
楽しめました。
現代の人々がそれぞれ
一生懸命生きているように、
江戸時代も人々は一生懸命
生きているのです。
高田さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・殿様の出来が悪いと、家臣が苦労する
店主の出来が悪いと、奉公人が苦労する(p76)
・刀で命の遣り取りをして決着をつけるのは侍。知恵と才覚を絞り、商いの上で決着をつけるのが商人(p160)
・大阪では庶民は日中は自分たちの仕事に励み、それが片付いた夜に、日用品などの買い物をするのだ、と和助は鶴之助に語った(p40)
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【私の評価】★★★☆☆(79点)