「新インナーゴルフ」ティモシー ガルウェイ
2019/09/03公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(91点)
要約と感想レビュー
インナーゲーム(心のゲーム)に勝つ方法
ティモシー ガルウェイといえば、インナーゲーム(心のゲーム)を確立した伝説のテニスのコーチです。 テニスボールが跳ねたら「バウンス」、ボールを打つ瞬間に「ヒット」と声を出すと、自然とボールに集中できるという。
人の頭の中には思考するセルフ1と本能のセルフ2がいて、セルフ1が優勢になりすぎるとスポーツはうまくいかないのです。いかにセルフ2(本能)にプレーを任せてセルフ1(思考)に邪魔させないか。それが、インナーゲームに勝つコツなのです。
・ミス・ショットの度に、今のスイングのどこがメカニズム的に悪かったのか、念入りにチェックしてしまう。そうしたやり方がかえって悪い結果をもたらす・・次のショットでは、その「自分で見つけた欠点」を修正しようと、必死になる・・スイングをコントロールしようとするとすればするほど、それは機械的でぎくしゃくした動きとなり、リズム感はますます損なわれる(p23)
ゴルフにインナーゲームを応用
ゴルフのスコアが100ぐらいのガルウェイは、この手法を使って「1年で80を切ること」を目標設定しました。バックスイングで「バック」、ボールを打つとき「ヒット」、振り終わったら「ストップ」と発声するのです。
また、パットでは本能のセルフ2に「やってみせてくれ」と頼むのです。本能のセルフ2にすべてお願いしておけば、本能のセルフ2は体験を重ねてそのすべてを学習し、データを蓄積していくというのです。
ゴルフで失敗したら「これこれの欠点を直したい」と考えることはきわめて自然です。しかし、それは自己不信から来ている発想で、うまくいかないという。さらにまずいのは、「直そう」とする過程の中で、多くの人が修正しすぎてしまうというのです。
週1回以上コースを回らないという制限の中で、なんと1年後にガルウェイはセント・アンドリュースで80を切ってしまうのです。週1回コースを回れば、十分じゃないかと私は思いますが。
・ヘッドがバック・スイングの終わりの最遠点に到達した刹那に「バック」と発声するのだ・・次にクラブ・フェースがボールと当たるインパクトの瞬間に「ヒット」と声を出す。そしてスイングが終了し、フォロー・スルーでヘッドが止まったときに「ストップ」と言う(p55)
私もインナーゲームを実験
私も同じように「バック」「ヒット」「ストップ」をやってみたら、前半51とイマイチでした。後半は元に戻して49でトータル100。思ったより効果があるのかもしれません。
また、自分がプロゴルファーの役を演じる「俳優」だと仮定するゲームも面白そうです。つまり、練習場で「こう打ちたい」と思っているプロゴルファーのスイングで打ってみるのです。結果をいっさい無視して球がどこに行っても気にせず、演技を続けるのがコツだという。
これは継続してやらないと成果は出ないのでしょうか。発声のやり方を工夫してみます。ガルウェイさん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・ジャック・ニクラウス・・私は練習でも、頭の中に鮮明で、焦点の合った正確な映像を描かずにショットしたことは、ただの一度もない(p256)
・易しいと思えば易しく出来る・・・ゲームを難しいと感じた途端にゴルファーには自己不信が沸き上がり、頑張ろうとし始める(p114)
・カップにボールを沈めることではなく、ボールがどこに止まるかを、目で見ないで言い当てる・・・(p153)
・自分自身が最高の能力を発揮するのは、セルフ1が活動を停止して、セルフ2がそのすべてを本能のままに表現する瞬間なのだ。セルフ1の妨害を直視しよう(p405)
・期待なしのゴルフはプレーできないのか・・・「期待しない者は幸せである。なぜなら、彼らは失望しないからだ」(p297)
・反逆の楽しみ方・・・ルールは2つしかない。まず、そのときどきの状況で最も面白いと思うショットを打つこと。それから、いかなる結果も望まず、求めないことだ・・1打1打を思い切り面白がって、結果を問わずに愉しむことにある(p378)
日刊スポーツ出版社
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【私の評価】★★★★★(91点)
目次
第一章 ゴルフはなぜ難しいか
第二章 発声練習で90を切る
第三章 力みはなぜ起きる
第四章 自己不信の克服
第五章 知覚力の活用
第六章 習得の技術
第七章 ショートゲーム
第八章 インナースイング
第九章 スランプからの脱出
第十章 リラックスした集中
第11章 自分自身のゲーム
第12章 アウターからインナーへ
著者経歴
ティモシー・ガルウェイ(Timothy Gallwey)・・・1938年サンフランシスコ生まれ。ジュニア時代にはナショナル・ハードコート選手権で優勝したほか、ハーバード大学ではテニス部主将として活躍。その後ヨガや東洋思想を研究、1974年「インナーゲーム」を発表してセンセーションを呼んだ。インナーゲーム・インスティチュートをカリフォルニアに設立、インナーゲーム理論は教育やビジネス分野からも高い評価を受けている。
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