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「一発OK! をもらえる人の エビデンス仕事術」光成 章

2019/08/02公開 更新
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一発OK! をもらえる人の エビデンス仕事術


【私の評価】★★★☆☆(70点)


要約と感想レビュー

 調査会社と仕事をしたことがあったので手にした一冊です。著者は調査側とクライアント側の経験があるようなので、視点が広いのでしょう。調査の手段は、アンケートとインタビューです。現地・現物で聞くことが大事だという。


 特に日本人は同質性が高いので、他人に尋ねる習慣が少ないのだという。外国人は、尋ねることにあまり抵抗を感じないという。つまり多様性のもと「人それぞれ思っていることは違う」という前提があり、そこから生まれる誤解を避けるためにも、常日頃から直接聞いて確かめながら仕事を進めようとしているわけです。


・直接取材では、誰もが知ることができるインターネットの情報には表れていない、あなただけが知ることができる"生きた"一次情報を得ることができます(p19)


 インタビューでは事前の準備が大事です。インタビュアーがシロウトだと、答える側の答えも、それなりになってしまいます。聞く相手を選別する。理由も質問する。よく口にするキーワードに注意、などインタビューにもコツがあるのです。限られた情報から専門家であるクライアントに報告するのですから、厳しい仕事であると感じました。


 具体的には、最初の20分は簡単な質問をテンポよく投げるという。インタビューする側から良い雰囲気をつくり、答える側にも、「口慣し」してもらうためです。そしてできれば2人でインタビューすると精度が高まります。2人だと、あなたの質問とは違う角度から質問することができるのです。


・インタビューの際には、質問に対する答えだけでなく、必ず、そう思う理由も一緒に尋ねることを習慣にしてください(p122)


 書籍など二次情報に掲載されていることと同じことを、こうしたインタビューで聞いてみると説得力のある資料となるという。例えばアンケート結果が書籍に掲載されている場合、それを鵜呑みにせず、より相応しい状況の人を対象としたインタビューやアンケートを自前で行い、比較するとベストなのでしょう。


 調査会社の人は、知恵を拾い上げるプロなのでしょう。普通にアンケートをやっていると、答える側にとって心地よい理想だけが並んでしまい、本音をうまく引き出せないどころか、むしろ真実・現実とは逆の結果が返ってくることがあるという。逆に、私たちも同じように質問を続ければ、その道の専門家になれる可能性があるということです。質問するのは無料ですので、いろいろ質問していきたいものです。


 光成さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・インタビューは真剣勝負・・・入念な事前準備が必要です。一番の懸念は、勉強不足・経験不足と見なしたインタビュアーに対して、答える側が真剣にならないことです(p26)


・メモはどんな形のものであれ、簡潔な文章の形式で残すようにします・・形容詞などの単語をキーワードのみ記録しても、後から記憶をたどる際、曖昧にしかその時の様子を思い出せません(p41)


・大切なことは、頻出ワードへの注目です。相手が説明の中で何度も使う言葉は、その人にとって大切なこと、大切な価値観です。それも必ず本音の発見につながります(p122)


・最近のアンケートでは、ある対象への満足度を5段階で尋ねる質問の代わりに、その対象のモノやサービスを「あなたの親しい友人や家族にどの程度勧めますか」という聞き方をする質問を目にすることが多くなってきました(p166)


・サンプル数が100未満のアンケートは行わない・・40票しか集まっていないアンケートで、100%計算で結果を示すのは本来おかしいことなのです(p168)


▼引用は、この本からです。
一発OK! をもらえる人の エビデンス仕事術
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光成 章
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【私の評価】★★★☆☆(70点)


目次

序章 エビデンスで説得力は倍増する
第1章 ムダのない情報収集プランを立てる
第2章 素早く信頼できる情報をつかむWeb検索・書籍リサーチ
第3章 世界であなたしか知らない情報を身につける取材・アンケート
第4章 相手を納得させるための情報整理・プレゼンテーション
第5章 アイディアの引き出しを増やす日常の習慣



著者経歴

 光成章(みつなり あきら)・・・ジャートム株式会社 代表取締役。福井県福井市出身、高校卒業まで福井で育つ。1987年、早稲田大学社会科学部卒業。1996年までの約10年間、矢野経済研究所、マッキャンエリクソン市場調査事業部(インフォプラン)等、リサーチサービスのサプライヤー側で各種調査プロジェクトを担当。1996年以降の22年間は、ブランド側のリーバイストラウス、シャネルの2社でリサーチ及びカスタマーリレーションを担当(ディレクター)。2018年6月、独立してジャートム株式会社を設立。福井県ブランド大使。福井市応援隊所属。


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