「甦る零戦 国産戦闘機vs.F22の攻防」春原 剛
2019/03/02公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★☆☆☆(62点)
■日米軍事同盟は堅固と考えられていますが、
米軍が日本の軍事力が強くなりすぎないように
調整しているのも事実のようです。
航空機はアメリカから買ってもらえば
それでいいという考えなのです。
したがって、技術移転はしませんが、
日本が独自開発しようとすれば、
それを阻止しようとするのは当然でしょう。
・なぜ米国はそれまで続けていたアムラームの
対日禁輸を突然、解いたのか。複数の技本関係者は
「日本で同レベルのものができると判断した段階で
それまでの態度を変えて輸出を許可し、
日本の国産プロジェクトを潰そうとするのは
米国の常套手段」と口をそろえる(p144)
■そうした複雑な利害関係の中で
日米同盟はもっとも重要なものでしょう。
同盟とは屈辱的なことも多いのですが、
全体としては国家の核心的な
力の源泉でもあるのです。
事実関係の記述が多い印象でした。
春原上さん、
良い本をありがとうございました。
───────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・田母神はその場の空気など構いもせずに言葉を続けた。
「尖閣諸島をめぐり、日本と中国が武力で衝突した結果、
中国が核戦力を日本に使用した場合、
米国は本当に日本の提供している『核の傘』に基づいて、
中国に核攻撃を仕掛ける覚悟がありますか?」
唐突な質問にシュワルツは一瞬の間を置いて、こう返答した。
「そういうこと(日中武力衝突)が起こらないように
努力していただきたい・・」(p20)
・最初のF104が四億円だったのに対して、
次のF4は20億円、さらにその次のF15には
百億円という価格が付けられていた(p24)
・航空自衛隊のF4稼働率はおよそ80%、
それに対して、韓国空軍のF4稼働率は
その半分の40%に過ぎないと言われる(p167)
・OPLAN5055・・・朝鮮半島で軍事作戦に受持する
米軍の後方支援のほか、数百人規模にのぼると見られる
北朝鮮武装工作員による日本侵略の阻止・・・
自衛隊は北朝鮮特殊部隊を「数千人」と想定したが、
在日米軍は「数百人」と推定。
最終的に日本側が歩み寄り、この特殊部隊殲滅作戦は
原則として自衛隊が単独で対処することになった・・・
陸上自衛隊が財務省主導による
「定数4万人削減」に対して強硬に反対した
理由の一つ・・(p214)
・第六世代戦闘機・・大型の無人飛行機
(UAV)になるというのである(p221)
この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
新潮社
売り上げランキング: 799,575
【私の評価】★★☆☆☆(62点)
■目次
第1章 コード・ネーム「心神」
第2章 日米同盟の呪縛の中で
第3章 迷走するF22
第4章 取り残された日本の夢