「地球46億年 気候大変動 炭素循環で読み解く、地球気候の過去・現在・未来 」横山 祐典

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地球46億年 気候大変動 炭素循環で読み解く、地球気候の過去・現在・未来 (ブルーバックス)

【私の評価】★★★★☆(81点)


■東京大学で地球の過去の気候を調べている
 著者に地球の気候変動を教えてもらいます。


 地球の気温は、
 地球の公転軌道の変化により
 2万年、4万年、10万年周期で
 変動してきたことがわかっています。


 そして現在、私たちは
 氷期の間に10万年サイクルで現れる
 約1万年続く温暖な間氷期にいるのです。


 現在の間氷期が始まったのが
 1万1700年前であり、
 そろそろ氷期(氷河期)に
 移行していい時期なのです。


・地球では、少なくとも過去280万年にわたって、
 地球の公転軌道変化に対応して、氷期と間氷期が
 4万年や10万年周期で交互に繰り返す気候変動
 「ミランコビッチサイクル」が続いてきた(p252)


■この本を読んでわかるのは、
 私たちが分かるのは
 過去の気温の変化だけということです。


 学者が研究しているのは
 そうした過去の実績から
 地球の仕組みを推測しているだけであり、
 それは確立されていないのです。


 大きいところで
 「ミランコビッチサイクル」は明確ですが、
 それ以外は仮説を検証しているにすぎない。


 つまり、間氷期が終わる可能性もあるし、
 二酸化炭素の増加で温暖化が進むかもしれない。
 未来の気温は、推測でしかないのです。


・そのまま寒冷化に移行し、氷期に突入するのでは
 という危惧もあるが、それを否定する考えもある・・
 熱塩循環の弱化がすでに起きているにもかかわらず、
 地球は寒冷化どころか温暖化が進行しているのは
 不可解にもみえる(p318)


■氷床や化石から過去の地球の
 気温や氷床の量を推定しようとする
 科学者の取組みがおもしろく感じました。


 そして、現在は二酸化炭素濃度が上昇し、
 温暖化しているように見えますが、
 一寸先には氷河期が待っているかも
 しれないと感じました。


 そうした不明確な状況で
 温暖化防止を議論していることを
 理解しなくてはならないのでしょう。


 横山さん
 良い本をありがとうございました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・南極の氷床コアから得られたデータ・・・
 地球は約10万年周期で氷期と間氷期を
 5回以上繰り返してきたことがわかる。
 現在は間氷期と呼ばれる温暖な時代で、
 南極とグリーンランドにだけ巨大な氷
 (氷床)が存在するが、氷期には北米や北欧、
 南米などにも氷床が存在していた(p42)


・27憶年前に噴火した火山によりたまった
 火山灰の上に降った雨の痕跡を調べた・・
 その形状が液滴の地面へ到着した速度に
 よって決まるという結果を得るに至り、
 その手法を用いて、雨の痕跡のサイズから
 当時の大気の密度、つまり大気圧を復元した・・
 当時の大気圧は現在の2倍ほどかそれ以下
 であった可能性をネイチャーで指摘した(p97)


・恐竜が闊歩した中生代は・・・
 当時の地球の平均気温は22℃。
 現在の地球の平均気温は約15℃だから、
 今より7℃も高かったことになる(p130)


・白亜紀の温暖な気候を決定づけたのは、
 温室効果ガスである二酸化炭素の濃度だった。
 植物化石の気孔の多さ(密度)などから
 推測される当時の大気中の二酸化炭素能動は
 1000~2400ppm。現在は400ppm(p130)


・ヤンガードライアスやハインリッヒイベントなどの
 過去の急激な気候変動は、この「熱塩循環の弱化」
 がきっかけで発生した・・グリーンランドの氷床
 コアから復元された古気温の記録では、数年から
 数十年単位で10℃近く変化したことがわかっている(p316)


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【私の評価】★★★★☆(81点)

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■目次

気候変動のからくり
太古の気温を復元する
暗い太陽のパラドックス
「地球酸化イベント」のミステリー
「恐竜大繁栄の時代」温室地球はなぜ生まれたのか
大陸漂流が生み出した地球寒冷化
気候変動のペースメーカー「ミランコビッチサイクル」を証明せよ
消えた巨大氷床はいずこへ
温室効果ガスを深海に隔離する炭素ハイウェイ
地球表層の激しいシーソーゲーム



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