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「龍馬の黒幕 明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン」加治 将一

(2018年10月22日)|本のソムリエ
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龍馬の黒幕 明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン (祥伝社文庫)


【私の評価】★★★★☆(83点)


■坂本龍馬の黒幕は、
 中国でのアヘン戦争に関係した
 ジャーディン・マセソン商会・長崎支店長の
 トーマス・グラバーです。


 民間人なのにグラバーは
 長崎の一等地に事務所と土地を持ち、
 敷地には大砲が設置されていました。


 そして敷地では、頻繁に
 イギリス兵が出入りしていた
 というのです。


・なぜグラバーは、海と陸を一望に見渡せる絶好の位置に土地を構えることができたのか・・・「鳥撃ち」と称する警備兵が巡回していた・・多くの大砲がずらりと並び、砲身は街と航路を睨んでいたというのも本当である・・背後にひかえる英国軍、本隊の存在があったからだ(p136)


■ジャーディン・マセソン商会は、
 幕末、武力により倒幕を目指す
 グループをサポートしていました。


 薩摩、長州に武器を売却し、
 薩摩、長州の倒幕、開国派の若者を
 イギリス留学させています。


 そしてその若者たちが、
 明治維新後の政府の要人として
 日本の西欧化を推進していったのです。


・長州が藩を挙げて攘夷を決行しようとするまさにその直前の6月27日、博文は攘夷を踏みつけ、敵国イギリスに密航するのである・・最初のメンバーは山尾庸三、井上馨、井上勝・・のちに遠藤謹助が追加され、続いて井上馨から密航の話を聞いた博文が、藩の商人をもらわずに勝手に乗り込んだというストーリーである・・・英国公使館を訪れる。そこで紹介された先はジャーディン・マセソン商会だ。一人1000両。今の金額にして約1億円・・(p221)


■司馬遼太郎の『翔ぶが如く』を読んだとき、
 多くの疑問がありました。


 下級武士の龍馬が、海援隊を作り、
 なぜ、船を持つことができたのか。
 なぜ、薩長同盟の後見人になれたのか。
 龍馬の船が紀州藩の船と衝突したとき、
 なぜ、紀州藩から賠償金を取れたのか。


 これらの疑問は、
 龍馬がグラバーの代理人であるとすれば、
 すべては理解できます。


 加治さん
 良い本をありがとうございました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・ジャーディン・マセソン商会は、清国に阿片を売って財を築いた巨大な英国商社、東インド会社をいわば引き継いだかたちで登場した国策会社である・・・・麻生太郎首相の祖父は吉田茂元首相だが、その養父、吉田建三はジャーディン・マセソンの横浜支店長であった(p102)


・「日本において、体制の変化がおきるとすれば、それは日本人だけから発しているように見えなければならない」(1866年4月26日付、ハモンド外務次官よりパークスへ)この命令は重要である(p271)


・松下村塾をざっくばらんに言えば、長州藩の特務機関員養成学校だ・・・諜報部員として重要な秘密に接していたので、高いポジションを得たと言えるのではないか・・スパイに選ばれるのは決まって最下層の俄か侍たちだ(p215)


・1862年の暮れ・・攘夷実行!伊藤博文、井上馨(かおる)などとともに、品川御殿山のイギリス公使館に火をかけた・・翌年・・ミカドが無情にも攘夷を決断したのだ・・・愚直に従ったのは、長州藩のみであった・・・6月25日・・・アメリカ商船に向かっての砲撃・・しかし、それを尻目に、横浜では・・・伊藤博文、井上馨をはじめとする長州藩の五名が密かに横浜から日本を抜け出し、英国に向かったのである・・・彼らはグラバーと会い、開国派に転向していたのだ(p158)


・龍馬は脱藩した下級武士であることを見過ごしてはならない。本来なら、座敷にさえ上がらせてもらえない郷士、すなわち足軽ていどの身分である。その龍馬が、77万石という大藩と37万石のこれまた有力藩である長州の仲立ちというのだから、驚きの大抜擢である・・・この時期、薩摩を動かせるのは英国、それも民間諜報部員グラバーをおいて他にいない(p301)


・龍馬は、買主の大洲藩士、玉井俊二郎あてに、二万ドル弱の保証の印を押しているのである。今の金額にして20億円・・・相手は龍馬の二万ドルもの保証を受け入れているのである・・ある時期龍馬が、グラバーという民間英国諜報部員の代理人として認められていた・・・だからこそ薩長同盟の後見人になれたのである(p303)


・土佐が「倒幕・開国」に至るまで・・藩内は、三つに分かれていた。後藤と龍馬が推し進めるのは、穏便な無血革命、すなわち幕府が自ら退き、はい、どうぞ、と権限を天皇に返す「大政奉還」路線だ。これがひとつ。あとは公武合体を引きずる勢力。そして武力倒幕を主張する過激派、板垣退助たちである(p346)


・井上勝は造幣局の後、鉄道の父と呼ばれるほど鉄道事業に打ち込む・・・1871年、鉄道事業のトップ、鉄道頭に就任し、翌年、新橋-横浜間で日本人による日本初の汽車を走らせ、鉄道局長官の椅子に座る。局長(長官)という肩書きは、現在の局長とはまったく異なる。鉄道大臣だ。わずか28歳である(p230)


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■目次

序章 全能の目
第1章 暗殺現場の謎
第2章 日本に上陸した秘密結社
第3章 長崎異人商会
第4章 グラバー邸に集った志士たち
第5章 薩英戦争の真相
第6章 密航者たち
第7章 革命前夜
第8章 パリの密会
第9章 龍馬、孤立無援
終章 闇に消えたフリーメーソン



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