「こうして店は潰れた: 地域土着スーパー「やまと」の教訓」小林 久

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こうして店は潰れた: 地域土着スーパー「やまと」の教訓

【私の評価】★★★★☆(83点)


■職場の近くのスーパーが
 1店破産、1店撤退してしまったので、
 手にした一冊です。


 山梨県のスーパー「やまと」は、
 創業百年の地元密着スーパーです。


 著者は2001年に父親から
 赤字の会社を引き継ぎ、
 経営改革を行い
 黒字転換させました。


 その勢いで一時16店舗まで成長しましたが、
 最終的には9店舗まで縮小し、
 4期連続赤字で自己破産となりました。


・私は働きの悪い(私の言うことを聞かない)
 親族を次々に辞めさせていった。
 その中には自動販売機から現金を抜くなど
 多額の不正を働いていた者や、業者から
 個人的なリベートをせしめていた輩もいた(p51)


■スーパー「やまと」の教訓としては
 次のことでしょう。


 まず、調子のよい時に店舗を増やしたが、
 調子が悪くなったとき
 撤退判断が遅れ
 撤退費用が手当てできなかった。


 また、問屋を整理したことで
 調子が悪くなったときに支援してくれる
 問屋が少なかった。


 銀行団による経営再建計画により
 最後は黒字転換が見えていましたが、
 最後は問屋から仕入れを引き上げられ
 営業継続が難しくなり破産となりました。


・必ず複数の問屋に掛け合い、価格を競争させた。
 先代は親分肌ゆえにほとんどが単独取引、
 いわゆる随意契約状態だった。
 そうなると、おもしろくない業者が出てくる・・
 「月夜の晩ばかりではないぞ・・・」
 もらった電話の意味はわかっていた(p49)


■スーパー業界全体の売上は
 増えているようですが、
 地元密着のスーパーは苦戦しています。


 地元密着で愛されていても
 利益を出さなければ
 会社はなくなってしまうのです。


 松下幸之助の言っていた
 ダム式経営のような余裕を持った
 経営が大事だと心に沁みました。


 小林さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・メイン問屋を替え、従業員のやる気にふたを
 していた親族を辞めさせ、給与もわかりやすく
 公平な評価をしていった・・
 人員を補充しなくても前より作業効率が上がり、
 一人当たりの給与は増えたものの総人件費は
 各段に減ったのだ・・
 会社の雰囲気はどんどん良くなり、
 高校生の定期採用もできるようになった(p52)


・チラシ広告の新聞折込範囲を極端に狭くした・・・
 自社でチラシ製作を始めた・・・
 「卵1パック10円」などというバカげたものはやめ、
 競合店の価格を少し下回る価格に変えた・・・
 すると、売上は見る見る減った。
 そして、利益が増えていった(p45)


・自腹で布製のエコバッグを2000個つくり、
 スーパーの店先でお客さんに無料配布した・・・
 やまとのマイバスケットには社名を入れなかった。
 「助かるわ、ほかのスーパーに行くときも使えるから!」
 少々複雑な気持ちだった(p75)


・みんなの反対を押し切って、
 大盛り298円弁当の販売が決定した。
 自分の意思を押しつけた。
 その結果、納得できない惣菜担当者
 3名が退職していった・・・
 弁当1個売って50~60円の儲けになる。
 売り残りは許されない・・・年間なんと
 100万食を売り上げるまでに成長する(p120)


・2011年3月11日、東日本大震災が起こった・・・
 やまとでは、震災の翌日から298円弁当を
 300円に値上げさせてもらい、値上げ分の2円と
 自分の2円を合わせて4円を被災地に贈ることを
 表明した(p126)


・台紙にスタンプを貼っていき、
 貯まったらカタログの商品と交換できる
 スタンプサービスを行っていた。
 しかし、競合他社が全店でそれを採用するに当たり、
 やまとにそれを辞めさせることを条件にしたという・・
 やまとに契約解除を申し出てきた・・・
 貯めたスタンプはその大手スーパーでも
 引き続き使えるから、お客さんには迷惑は
 かからないって?なんだその言い草は!(p132)


・当時入手した同じ商品の某大手スーパーの
 仕入価格表を見て、「こんなに違うのか?
 それでいてこんなに高く売っているのか!」
 と愕然としたことを覚えている(p47)


・買物難民向けの移動販売車・・
 もともと採算の合わない事業だったが、
 地域に支えられて100年以上も
 商売をさせてもらった恩返しの意味もあり、
 6年前から始めたことだ(p27)


・これからは恩返しの気持ちで生きていこう、
 できることは何でもしようと私は考えていた。
 「頼まれたら、選挙以外は断らない」というのが
 私のモットーになっていた(p62)


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■目次

第1章 年末商戦師走某日、やまと突然の撃沈!
第2章 三代目の若造社長、復活をかけ改革断行
第3章 誰かが喜ぶなら、迷わず即断即行
第4章 頼まれたら、選挙以外は断らない
第5章 夢の街への出店で、見えたもの学んだこと
第6章 正義の味方やまとマン、教育委員長になる
第7章 やまと航海、終わりの始まり
第8章 生かされている身の上、感謝と恩返しで生きる



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