「人生で大切なことはみんなマクドナルドで教わった」鴨頭 嘉人
2018/09/26公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(90点)
■マクドナルドにおいて、
お客様満足度1位、従業員満足度1位、
セールス伸び率1位を獲得し、
最優秀店長となった著者の体験談です。
著者は友人から誘われて
軽い気持ちでマクドナルドで
バイトをはじめました。
マクドナルドには
品質にこだわる先輩、
モラル改善にこだわる先輩がいて、
一生をかけるに値する会社でした。
また、ハンバーガー大学では
自分の人生をどう歩むのか、
自分が選択するのだ、
ということを学んだのです。
・マクドナルドでは"手順"と"ポリシー"を
同時に伝えながら、人材を育成していく・・・
正確には"ポリシー"を共有したスタッフに
"手順"をガイドとして提供するシステムが
存在するのです(p4)
■著者は、大学を中退して
マクドナルドに入社しています。
一生懸命に仕事をしながら、
スタンドプレーはいらないと
指導を受けながら、
経験を積んでいきます。
そしてやっと店長になれたのです。
しかし、その店はオペレーションが
滅茶苦茶な店でした。
著者は気付いたことを
どんどん指摘しました。
俺についてこれないヤツは
辞めてもいい、と言いました。
そして、職場の雰囲気が悪くなり、
部下は挨拶もしない。
レジのお金がなくなる。
疑心暗鬼になり、店舗に行くだけで
苦痛になってきたのです。
そして、売上も低下し
異動することになりました。
・僕がいくら正しいことを言っても、
みんなその通りにしませんでした・・・
当時の僕は《正しい事を言えば、
正しい事をやってくれる》と
思い込んでいたのです。
でも、人はそんな風に出来てはいません(p139)
■著者は、次の店で失敗したら
自分はクビだろうと覚悟しました。
人を変えるのではなく、
自分を変えようと思いました。
ダメ出し、指示をするのではなく、
スタッフを信じること。
自分の想いを伝えて、
スタッフの提案を聞き、
受け入れるようにしたのです。
するとスタッフが動き、
問題が解決できました。
スタッフが自ら動きだして
くれたのです。
・ビデオカメラを持って、
スタッフの働く姿を撮影していました・・・
映像を自分で編集して、カッコいい音楽を付けて、
全員を集めて大きなスクリーンで大音量を流して、
みんなで泣くんです・・・みんなにとって
僕のカメラは"承認の目"なのです(p176)
■正しいことを言い続けたら、反発され、
雰囲気が悪くなって組織崩壊を
経験した著者だから
伝えられる内容でした。
その挫折から自分を変え、
スタッフを主役に育てることのできる
店長になったのです。
鴨頭さん
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・スタートミーティングで30分時間をもらい、
今度こそ目的と目標をちゃんと共有して
スタート・・・こんなに相手の事を考えて
準備したことはありませんでした。
いつも、お店のためになるなら何を言っても
みんな協力して当たり前だと
思っていたからです(p85)
・マネージャーから問題発生の報告を受けた時には、
「そうか。どうしたら良いと思う?」と
解決方法を聞くようにしました・・・
部下の答えが自分の考えと違うと修正してあげたく
なるものです・・しかし、そこであきらめない。
あきらめて自分の答えを伝えてしまったら、
部下は上司の答えを探す方法に向かってしまう(p167)
・ミスズが『あのお兄ちゃんに会ったら元気になる』
と言うので、厚かましいとは思いましたが、
鴨頭さんに会いに来させていただきました・・・
みすずは おにいちゃんにあうと げんきになるよ
ありがと(p115)
・評価のために一生懸命汗をかいて働くのではなく、
とにかく店にいられることだけで
楽しくなったんです!・・・
評価者は、店長や本社の人ではなく、
毎日来てくださるお客さまなのだ・・
そう気づく事ができたのです(p116)
・QSCチェック・・・自分のシフトが
終わってから一人で掃除、そしてシャワーを
浴びに帰宅して仮眠したら、またすぐに
出社して自分のシフトまで掃除という
日々を繰り返していました・・・
「私にも手伝わせてください」
「鴨さん、僕2時間くらいなら手伝えますよ」
と言ってくれるスタッフが現れ始めたのです(p97)
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【私の評価】★★★★★(90点)
■目次
プロローグ サービス業は天使の仕事
第1章 マクドナルドのアルバイトは、なぜニコニコして働くのか
第2章 社員の最高の報酬は、お客さまの笑顔
第3章 店長の仕事は、楽しい職場をつくること
エピローグ サービス業で世界を変える
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