「ベートーヴェンの生涯」青木 やよひ

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ベートーヴェンの生涯 (平凡社新書)

【私の評価】★★★★☆(88点)


■ベートーヴェンは「第9」
 「エリーゼのために」くらいしか
 わからない私ですが、本当の素顔の
 ベートーヴェンが分かると評判なので
 手にした一冊です。


 ベートーヴェンは1770年に現在のドイツ・
 ボンで生まれました。
 当時はドイツ連邦は存在せず、
 300もの小さな国家が存在するだけであり、
 フランス革命とナポレオンの軍事行動に
 影響を受けていました。


 貴族の支配する封建制度の中で、
 フランス革命に端を欲する民主共和制が
 広がりをみせていた時代です。


 貴族のための音楽から
 民衆のための音楽への
 変換の時代でもあったのでしょう。


・音楽は社交上必要な単なる余興ではなく、
 哲学や文学と並ぶ教養の一つと
 考えられていたから、大小の館の主人たちは、
 自らの見識とセンスのほどを示すためにも、
 すぐれた音楽と音楽家を競って
 求めていたのだった(p71)


■面白いのはベートーヴェンが、
 ゲーテの著作を愛し、
 哲学を愛していたこと。


 その一方で、
 怒りやすく、喧嘩をしては、
 自分の勘違いに気づくと
 急に謝ったりする。


 さらに当時は、
 女性と友人として大ぴらに
 付き合うのはタブーだったのに
 伯爵夫人の家に居候までしてしまう。


 そして、当時は
 評価されない作品も多かったのですが、
 ぶれることなく自分の良いと思ったものを
 書くことを宣言していること。


・「・・あなたの四重奏曲は私に
 感銘を与えませんでした」
 という誰かの書き込みがあった・・・
 ベートーヴェンにそれを見せて質問すると
 「いずれ彼らにも気に入るようになるさ!」
 という簡単な答えが返ってきた。しかし、
 「私は自分がよいと思ったままを書き、
 同時代人の批評にまどわされることはないのだ」
 と確信をもってつけ加えたという(p255)


■ベートーヴェンは変わり者でありながら、
 自分の信念に基づいて
 やりたい音楽を作り続けた人であることが
 わかりました。


 そして当時の封建制度の中で
 自由な恋愛ができず
 未婚のまま人生を閉じた人でも
 あったのです。


 ベートーヴェンは1827年、
 57歳で亡くなっています。


 青木さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・誤解したりすぐかっとしたりすることの
 多かったベートーヴェンだが、
 同時に彼は自分が間違っていたと知ると、
 すぐ率直に、恐縮しながら
 謝るタイプだった(p183)


・これらの作品は後年高く評価されたた、
 発表当時はあい変わらずの不評にさらされていた・・
 ベートーヴェンと同僚だった名チェロ奏者
 ヴェルンハルト・ロンベルクは、
 その演奏を拒んでチェロのパート譜を
 足でふみつけたと伝えられている(p142)


・彼(ベートーヴェン)は、母と弟が命を奪われた
 結核の素質が自分にもあるのではないかという
 不安を絶えず抱いていた・・
 彼にとっての最大の課題は、音楽家として残りの 
 人生をどう生きるかであった・・
 その結論を、彼は『日記』にこうしるしている
  オペラや他のすべてを捨てて、
  おまえのやり方だけで書け・・
  そしてそれから一着の僧服、
  この不幸な生涯を閉じるために(p204)


・彼は『日記』にこう書いている。
  おまえの芸術のために、
  もう一度社会生活の些事
  すべてを犠牲にせよ(p210)


・1808年の秋に、ベートーヴェンは
 メルケルパスタイ家から
 アンナ・マリー・デルデーディ伯爵夫人方に
 住まいを移している。
 だいたいベートーヴェンは引越し魔で、
 ウィーンに出てきてから全部で三十回ほども
 住所を変えている(p154)


・自然をこよなく愛していたベートーヴェンは、
 毎年夏になるのを待ちかねて田舎に部屋を借り、
 そこで秋まで仕事をするのが慣例になっていた(p176)


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■目次

第1章 ボン時代のベートーヴェン
第2章 ウィーン生活の光と影
第3章 豊かな創造の時期
第4章 栄光と絶望の『日記』
第5章 人類へのメッセージ



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