「赤字30億円からV字復活させた 逆転発想の人材・組織改革術」 駒村 純一
2018/08/13公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(83点)
■2003年に30億円の赤字を出した森下仁丹は、
三菱商事から著者を中途採用し、
執行役員に抜擢しました。
当時、社内には新しいことをしよう、
新商品を開発しよう、
という雰囲気はありませんでした。
商品は黙っていても売れる。
大きな失敗がなければ出世できる。
社内には危機感はなく
挑戦する人材も皆無だったのです。
・かつての仁丹は、"作れば売れる"商品でした。
社内には「営業」をするという
発想すらありませんでした(p16)
■著者が行ったのは、
森下仁丹の中にあった技術を活用して
社会に求められる
新しい商品を開発していくことです。
そして、著者の方針に沿って
行動しない人は排除していきました。
やる気のある人と入れ替えるのです。
著者のやり方に納得できない
ベテラン社員は去っていきました。
その結果、現在では、
6割が中途採用となっています。
・中途入社した30代半ばの技術系の部下と、
40代後半の上司とのポジションを
入れ替えたことがあります(p32)
■6割もの古参社員が去ったドラマが
聞きたいと思いました。
面従腹背のベテランや
指示に従わなかった社員も
いたはずです。
どこでも同じだと思いますが、
どのようにしてベテランは
著者の足を引っ張ったのか
書いていないところを知りたいですね。
駒村さん
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・実力とやる気のある社員を責任ある
ポジションにつけて、モデルをつくりました・・・
外部から採用した優秀な若手を管理職に抜擢し・・
現在では社員の6割が
中途採用者になりました(p21)
・縦割り組織では、面白い企画が生まれたとしても、
製品化されるまでに時間がかかりすぎてしまいます・・
「部署」という区切りがあるために、
何をやるにも時間の無駄が発生していたのです。
そこで、現在ではプロジェクトチーム単位で
業務を動かすようにしています(p35)
・『銀粒仁丹』を作れるのは、実はいまでは
数人の社員しかいません・・・
知り得たデータや技術をブラックボックス化して
自分の存在価値にするとう伝統、風土が
社内に存在していたわけです(p50)
・「新卒よりも50歳過ぎがほしい」・・・
組織を発展させていくことを考えれば、
いくら活きのいい人材、優秀な新卒を採用しても、
「先生役となる50歳過ぎ」がいなければ
育つことは困難です(p71)
・第四新卒採用では、個人面接のほかに
グループディスカッションも実施しました・・・
経験を積んでいる人たちばかりなので、
例えば「3~4人で会社を立ち上げて経営してください」
というテーマのみを与えます(p62)
・イノベーションを起こすなら
「新しい血」が必要・・・(p90)
・何が成功するかわからないから、すべてやる・・・
他社が商品を1本に絞り込むのに時間をかけている間、
当社は合わせて10本の案を走らせながら、
時流を読み続けて、一歩でも先に進むほうが
いいのではないかと考えたわけです(p118)
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【私の評価】★★★★☆(83点)
■目次
第1章 老舗企業はどのように復活したか
第2章 会社に新風を吹き込んだ「第四新卒」
第3章 中高年が活躍できる組織が「勝てる組織」
第4章 森下仁丹の「線路10本思考」とは
第5章 常識にとらわれずに会社風土を変える秘訣