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「国境のない生き方: 私をつくった本と旅」ヤマザキ マリ

2018/04/30公開 更新
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国境のない生き方: 私をつくった本と旅 (小学館新書)


【私の評価】★★★★☆(86点)


要約と感想レビュー

14歳のときヨーロッパへ出発

ローマ人が現代にタイムスリップする漫画「テルマエ・ロマエ」を描いたヤマザキ マリさんの人生です。


ヤマザキ マリさんの母は、父が若くして病気で他界したため、女手一つで育ててくれました。自由に育ててくれたようですが、ヤマザキ マリさん14歳のときヨーロッパの友人に会いに行く旅に、母が行けなくなると14歳の娘だけ出発させたという。英語もろくにしゃべれない14歳の女の子をよく一人で行かせたものです。崖から子どもを突き落とすトラのようなものでしょうか。


・現実っていうのはタフで手ごわい・・人生は落とし穴の連続で、生きることは騙し騙されること。だとしても、そこでどう生きるかは、その人次第(p183)


シングル・マザーとなって帰国

そして、ヤマザキ マリさんはイタリアで絵を学び、恋人ができますが、彼はアルコール依存症になって自暴自棄。金もなければ、家も担保に取られ恋人は酒浸りで、恋人の子を身籠ってしまいます。ヤマザキ マリさんは帰国してシングル・マザーの道を選ぶことになります。お金を稼ぐために、絵を捨てて漫画を書き始めたのです。


漫画で稼げるようになるまでは、お金がなくて困ることばかりで、本当につらくて、情けなくなったという。「こいつらは私の命よりもお金が大事なんだ」と感じるようなイヤなことが沢山あって、もし、お腹に子どもがいなかったら「死んでいたかもしれない」と回想しています。


漫画で稼げるようになると、「人からどう見られるか、体裁ばっかり気にしてたな」とか、「ああ、失敗は、どれもこれもいい経験だったな」と思えるようになったという。だから子どもには、「他人の目なんて気にしなくていい」と教えているというのです。


・「他人の目なんて気にしなくていい」というのは、子どもたちにもずっと言っていました。「他人の目に映る自分は、自分ではないのだから」と(p35)


イタリア人は、よくしゃべる

実際にイタリアに住んで接したイタリア人は、よくしゃべるのだという。「言葉にして言わなければ、何を考えているかわからないだろ。お前自身も、言葉にすることで自分が何を思い、どう考えているのか、いろんなことがわかってくるはずだ」と考える人ばかりだという。イタリア人おそるべし。


農耕民族の生き方ではなく、狩猟民族の生き方もあるのだと思いました。人が生きていくのは、なかなか大変なものであり、その中で挑戦し、成功し、失敗するのが人生なのでしょう。「テルマエ・ロマエ」の笑いからは想像できないヤマザキ マリさんの旅と海外生活でした。


ヤマザキさん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・人間、いつ死ぬかわからないのだ・・せめて死んでいく時に「あれをしておけばよかった」と悔やむことがないように生きるしかない(p94)


・「僕はラッキーなんだよ。人生は、自分がラッキーだと思うほど、楽しくなる」祖父は、私に口癖ようのようにそう言っていました(p196)


国境のない生き方: 私をつくった本と旅 (小学館新書)
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ヤマザキ マリ
小学館
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【私の評価】★★★★☆(86点)


目次

第1章 野性の子
第2章 ヴィオラ奏者の娘
第3章 欧州ひとり旅
第4章 留学
第5章 出会い
第6章 SF愛
第7章 出産
第8章 帰国後
第9章 シリアにて
第10章 一九六〇年代
第11章 つなが
第12章 現住所・地球



著者経歴

ヤマザキマリ・・・1967年生まれ。日本の女性漫画家・文筆家。東京造形大学客員教授。海外暮らしが長く、現在はイタリア共和国在住。1996年イタリア暮らしを綴ったエッセー漫画でデビュー。


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