「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」西野 亮廣
2018/02/27公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(88点)
要約と感想レビュー
お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣(にしの あきひろ)さんが教える、現代のマーケッティングです。西野さんは、芸人としてだけでなく、本も書けば、絵本作家として個展も開いています。
その西野さんの特異性がわかるのが、読売テレビ「朝生ワイドす・またん!」が西野さんの絵本『えんとつ町のプペル』を取材したとき。「印税独り占めですか?」「プぺル、値段高くないですか?」「ていうか、返し普通ですね」という失礼なディレクターに激怒し、収録を拒否し、途中で帰ったのです。
・番組のディレクターさんが・・「プペルの値段、高くないですかぁ?」「さっきから、お高くとまってんですかぁ?」といった言葉をぶつけてきた・・信頼関係のない「イジリ」はイジメだ・・「イジってやってるんだから、ちゃんとリアクションをとれよ」というのはイジメだ・・その時僕は、収録中に帰ることにした(p48)
普通の芸人はテレビ局の人に頭が上がりません。だから読売テレビのディレクターは、いつも芸人をバカにしていたのでしょう。しかし、西野さんはインターネットを使い、クラウドファウンディングで絵本を売っています。トークライブ『西野亮廣独演会』を自主開催し、本やDVDを販売している。テレビや吉本興業に頼らなくても収入を得ることができているのです。
ディレクターにバカにされたらテレビで干されるのを怖れるのではなく、テレビ出演を拒否することもできるのです。同業者から批判されたり、ツイッター炎上したら上等です。それがネタになって知名度が増し、独演会や絵本の売り上げが上がるのです。
また、絵本を無料公開しています。これは、スーパーの試食や化粧品の無料サンプルと同じように試した人の10人中1人に買ってもらったら、モトがとれると計算されているのです。
・自分で運営しない・・「『えんとつ町のプペル光る絵本展』の開催権利」は30万円で販売した・・グッズ制作も自由・・特典として、僕のトークショーも付けた・・普通にイベントをデザインすれば主催者に黒字が出るように、設定した(p184)
映画館や演劇で「パンフレット」が売れるのを参考に、自分の絵本の個展を開催して、その出口で絵本を売ったら、これが飛ぶように売れたという。
無料で絵本や本をネットで公開したり、クラウドファウンディングを使うなど、先進のマーケッターのようなことをしているのですね。既存のテレビ業界や出版業界に頼らずやっていけるということは、それだけ業界も厳しいということなのでしょう。
ニュースを出すな。ニュースになれ。自分の時間を使うな。他人の時間を使えなど、新しい時代を感じました。西野さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・2015年の独演会(僕の単独のトークライブ)をユーチューブで全編無料公開したのだが、・・翌年の独演会の集客は倍になったのだ(p130)
・「無料公開した方が、売り上げが伸びる」「無料公開した方が、出版業界が盛り上がる」という答えが出たので無料公開に踏み切った(p109)
・テレビタレントのギャラの出所はスポンサーだ・・たとえマズイ料理を食べても「美味しい」と言わなければならない。嘘をつかなくてはならない(p36)
・学校は『お金』のことを教えてくれない。多くの先生は社会に出たことがなく、くわえて公務員なので、お金を"作る"経験や知識については壊滅的状況にある(p85)
▼引用は下記の書籍からです。
幻冬舎 (2017-10-04)
売り上げランキング: 90
【私の評価】★★★★☆(88点)
目次
他人と競った時点で負け。自分だけの競技を創れ。
キミの才能を殺したれなければ、 お金の正体を正確に捉えろ。
お金を線ぐな信用を稼げ「信用持ち」は現代の錬金術師だ
意思決定の舵は「脳」ではなく、「環境」が握っている。
入口でお金を取るな。マネタイズのタイミングを後ろにズラして、可能性を増やせ。
作品の販売を他人に委ねるな。それは作品の「育児放棄」だ。
インターネットが破壊したものを正確に捉え、売り方を考えろ。
2017年1月。お金の奴隷解放宣言。
無料公開を批判する人間に未来はない。
著者経歴
西野亮廣(にしの あきひろ)・・・1980年生まれ。芸人、絵本作家etc.99年に梶原雄太と『キングコング』を結成。人気絶頂の2005年、「世界一面白い芸人になる」夢を叶えるため、テレビから軸足を抜いた結果「炎上芸人」などとバッシングを受けるが、絵本やビジネス書執筆など結果を出し続け、熱狂的支持を得る。オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』は国内最大で19年4月現在、会員数2万3000人超
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