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「死海文書のすべて」ジェームス・C. ヴァンダーカム

2017/12/10公開 更新
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死海文書のすべて


【私の評価】★★☆☆☆(62点)


要約と感想レビュー

 聖書について全く基礎知識のない私には、まったく興味の持てない内容でした。驚いたのは、紀元前の文書が残っているということ。 そしてそれを分析できる装置が開発されているということです。


 1.0ミリグラムの有機物があれば、試料加速器質量分析(AMS)と14C(炭素)年代測定法を組み合わせることで、年代を特定できるのです。また、マルチ・スペクトル画像処理(MSI)の技術を使った赤外線画像分析により、重なった断片上の文字がでさえ鮮明に読みとることができるのです。
 

 日本では古代の文書は残っていませんが、祖先が残してくれなかったのが残念です。ですから私たちも子孫のために、読んでくれることを信じて文書を残すべきなのでしょう。ヴァンダーカムさん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・ドレヴァーの報告によれば、三人のベドウィンの羊飼いが、1947年の冬か春に、司会の北西岸のクムランと呼ばれる地域にいた・・洞窟の中で、どれもが二フィート近くある壺を10個発見する。二つを除いてはどれもが空であり、彼は失望する。二つのうちひとつには泥が詰まっており、ひとつには三つの巻物が収められており、その二つは亜麻布で包まれていた。(p24)


・1951年の10月に、クムランから二、三マイル離れたワディ・ムラバアートの地域にある洞窟群の中で、写本の断片を発見する・・(p35)


・ハーバード大学のフランク・ムーア・クロスは、1961年に、クムランとその写本の書体に関する標準的な研究書を出版する。彼は巻物の書体学上の年代を三つの時期、すなわち古典古代期(前250-150年)、ハスモン期(前150-30年)、ヘデロ期(前30-後68/70)に区別し・・(p50)


・旧約聖書の諸文書の著作年代は、これまで大いに議論されてきた・・モーセが最初の五書を著したと長い間信じてきた。だが、たとえこの手の主張を受け入れたとしても(それを支持する直接的な証拠は何もない)、著作年代は未解決のまま残される。何しろ、モーセの存命した時期も論争事項のひとつだからである(p223)


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【私の評価】★★☆☆☆(62点)


目次

第1章 諸発見
第2章 写本概観
第3章 クムラン・グループとは?
第4章 クムランのエッセネ派
第5章 巻物と旧約聖書
第6章 巻物と新約聖書
第7章 死海の巻物論争



著者経歴

 ジェームス・C.ヴァンダーカム・・・1946年生まれ。1976年ハーバード大学博士号取得。ノートルダム大学でヘブル語などを講じる。死海文書関係のテクストの編集委員でもある


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