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「許永中 日本の闇を背負い続けた男」森 功

2017/07/22公開 更新
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許永中 日本の闇を背負い続けた男 (講談社+α文庫)


【私の評価】★★☆☆☆(66点)


要約と感想レビュー

やられれば必ずやり返す

「ひたすら、"悪漢"を目指して生きてきた」と自ら言うように、許永中は悪の限りを行ってきたことがわかります。そこには正しいとか、事実とか、契約とかは関係なく金は力、力は金ということです。若い頃には、生命保険とゴルフ場の会員券をセット販売していましたが、両者に了解を取らずにやっていたという。めちゃくちゃですね。


当時、被差別部落出身の同和や在日は、チンピラや愚連隊になって暴れまわっていたという。そうした同和や在日は、極道になるか、事業を始めようとする者に分かれていったらしいのです。ちなみに許は「部落解放同盟大阪府連西成支部長付」という肩書を持っていたという。


「やられれば必ずやり返す」許は人前で悪びれることなく、こういう。(p56)

先輩の暴力団、総会屋、エセ同和に学ぶ

許は、先輩の暴力団、総会屋、エセ同和などから仕事のやり方を学び、政治家、暴力団、闇の実力者へ人脈を広げています。その悪事が拡大していったきっかけは、大企業の不良債権処理の手伝いをしてからです。大企業の不良債権を引き取り、最後は自分の会社を倒産させて、すべてをないことにする。


例えば、許永中は40億円、50億円といった不良債権を東邦生命から買い取っていたという。そうすると東邦生命にとっては、いったん帳簿上から不良債権が消えたことになるわけです。そのプロセスの中で、数千億円もの資金がどこかに消えてなくなったのです。


悪でも生きていく道があるのだと思いました。ただ、こうした生き方だけはしたくないと思いました。日本人であれば、だれしもそう思うのでしょう。


森さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・許がもっとも熱を入れていた大阪国際フェリーには、2007年(平成19)年7月まで防衛大臣を務めていた久間章生が社長に就任していた。また、中核企業の一社である不動産業のコスモスには、「国会のあばれん坊」と異名をとった浜田幸一の長男で、現防衛大臣の浜田靖一が重役として名を連ねていた時期もある(p136)


・許は、先の大阪国際フェリーの就航記念パーティに、同じ在日韓国人の元山口組系組長の柳川次郎や京都の指定暴力団「会津小鉄会」元会長の高山登久太郎など、大物のヤクザを招いていた(p207)


・河原町二条の再開発計画を立てた許と内田(和隆)は、まず小川吉衛に相談を持ちかけた。そこで、金丸の第一秘書だった生原正久のところへ連れていかれる・・彼らが金丸から紹介されたのは、総合商社「伊藤忠商事」の相談役だった瀬島龍三だという(p215)


許永中 日本の闇を背負い続けた男 (講談社+α文庫)
許永中 日本の闇を背負い続けた男 (講談社+α文庫)
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森 功
講談社
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【私の評価】★★☆☆☆(66点)


目次

第1章 差別とスラムからの脱出
第2章 アンダーグラウンドの世界
第3章 政商との出会い
第4章 大物フィクサーとして
第5章 竹下登とイトマン事件
第6章 逃亡
第7章 日本の宿痾



著者経歴

森功(もり いさお)・・・1961年、福岡県に生まれる。岡山大学文学部卒業。伊勢新聞社、テーミス社などを経て、新潮社に入社し、「週刊新潮」次長などを務める。2003年から、フリーのノンフィクション作家として活躍。2008年、「月刊現代」の連載「ヤメ検司法に巣喰う生態系の研究」が、そして2009年、「同和と銀行三菱東京UFJの闇」が2年連続で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞を受賞


許永中関連書籍

「許永中 日本の闇を背負い続けた男」森 功
「住友銀行秘史」國重 惇史
「悪漢(ワル)の流儀」許 永中


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