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「日本人はどんな大地震を経験してきたのか」寒川旭

2017/04/17公開 更新
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日本人はどんな大地震を経験してきたのか (平凡社新書)

【私の評価】★★★☆☆(76点)


■日本は古代から地震と津波の
 被害を受けてきました。


 先人はそれを記録し、
 後世に残しています。


 私たちはそれを受けとり、
 後世に伝えていく
 義務があるのでしょう。


・天武天皇の時代に『日本書記』の編纂がはじまり・・
 684年11月29日に南海トラフ地震が発生したことが
 わかりますが、白鳳時代の出来事なので
 「白鳳南海地震」と呼ばれています(p62)


■また、地層を分析すると、
 液状化の跡から地震の発生を
 推定することができます。


 砂や土砂の堆積で、
 津波の後を推定することが
 できます。


 「地震の記録」を
 「地層の分析」で
 裏取りするのですね。


・岩津太神社遺跡では、13世紀はじめ頃の地層を
 引き裂いて、13世紀中頃の溝に削られる
 液状化の跡が見つかりました。
 13世紀初頭に大阪平野が強く
 揺れたことをしめしています(p71)


■日本の歴史とは、
 地震と津波の歴史だと感じました。


 忘れたころにやってくる
 地震への備えを忘れては
 ならないのでしょう。


 寒川さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・江戸時代以降は、東海地震と南海地震が
 ほぼ同時に発生していることがわかります・・
 1707(宝永4)年には・・
 東海地震と南海地震が同時に発生して
 「宝永地震」と呼ばれています・・(p67)


・1644年(正保元)年に伊賀上野(三重県)で生まれた
 松尾芭蕉は、13歳で父親を亡くして・・
 「桃青(とうせい)」という俳号だった彼は・・
 1678年刊行『江戸三吟』では、次の句を詠んでいます
   大地震 つづいて竜や のぼるらん 似春
   長十丈の 鯰なりけり       桃青
 似春(じしゅん)が地震と竜を結びつけたのを受けて、
 桃青がナマズを登場させたのです(p189)


・象潟(きさかた)の誕生は、紀元前五世紀の
 鳥海山の噴火までさかのぼります。この時、
 山の北西側が大きく崩れて、大量の岩屑・土砂が
 日本海に流れこみました。海面には多数の岩塊が
 顔を出し、これを取り囲むようにのびた砂の帯
 (砂嘴(さし))が海を仕切ったのです・・
 長さ約2キロ、幅約1キロの、淡水と海水が混在
 した潟湖ですが、(1804年の)地震によって
 一気に隆起したのです(p192)


・1923(大正12)年9月1日の午前11時58分、
 大正関東地震(M7.9)によって、
 首都圏の大地が激しく揺れました・・
 昼食を準備する時間に地震が発生したため、
 台所や食堂から出火しました・・
 小田原町では、上下動を伴う激しい揺れによって、
 5000余りの建物がすべて倒れ、小田原城の石垣が崩れ、
 郊外の小田原紡績工場が全壊しました(p108)


・南海トラフでは、90年から150年の間隔で
 巨大地震がくり返されています・・
 南海トラフの巨大地震によって大きな
 エネルギーが放出される前後に、
 首都圏に影響をおよぼすような
 地震が起きています(p238)


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【私の評価】★★★☆☆(76点)



■目次

第1章 地震はどうして起きるのか
第2章 地震によるさまざまな災害
第3章 繰り返す海溝型巨大地震―地震考古学で読み解く1
第4章 活断層地震に襲われた人々―地震考古学で読み解く2
終章 地震の過去・現在・未来


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