「トランプ大統領とダークサイドの逆襲 ―宮家邦彦の国際深層リポート」宮家 邦彦
2017/01/05公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★☆☆☆(67点)
要約と感想レビュー
トランプ大統領誕生を、どう読み解くのか考えるために手にした一冊です。タイトルのダークサイドとは、自分だけ良ければいいという考え方です。それは孤立主義であり、武力による覇権であり、帝国主義的な考え方です。
最近、自国の国益ファーストで軍事行動も辞さないというリーダーが増えているように感じます。理念なき武力は破壊をもたらし、武力なき理念は寝言なのでしょう。
・白人至上主義、不健全で、暴力的なアメリカ第一主義を唱える「ダークサイド」(p63)
ヨーロッパにおいても、ダークサイドが力を持ってきました。EUは一つにまとまらない。イギリスはEUを脱退する。ロシアはクリミアを併合する。各国の利己的な行動を制御できなくなってきているのです。
・ユーロも必ずしもうまく機能していない。それどころか、各国は利己主義的になり、言いたいことを勝手に言い合うようになっている。ギリシャは経済的に実質破綻・・(p85)
これまでのグローバル化、自由化という流れが変わってきたのだと思いました。資源を持たない日本としては、エネルギーだけは確保しておきたいですね。宮家さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・米国内に充満していた「怒り」、「閉塞感」、「やるせない思い」や「不満」、そういったものが「ダークサイド」に充満したガスとして噴出した(p4)
・ヨーロッパの各民族は、文化が一つひとつ強力で、容易に融合されることがない(p79)
・ロシアは戦った。そして、敵が来る前に「緩衝地帯」(バッファー)を取っておけばいいんだと考えるようになった・・・周りの国や民族にとっては、ロシアの帝国主義ということになります(p233)
時事通信社
売り上げランキング: 3,954
【私の評価】★★☆☆☆(67点)
目次
第1章 何がトランプを大統領に押し上げたか
第2章 世界を覆うダークサイド
第3章 ブレグジットとロシア熊の覚醒
第4章 ダークサイド「諸帝国の逆襲」
第5章 地政学リスクとは何か―正しい日本の針路の取り方
著者経歴
宮家邦彦(みやけ くにひこ)・・・1953年、神奈川県生まれ。東大法学部卒。1976年米国ミネソタ大学留学、1977年台湾師範大学語学留学。1978年外務省入省。外務大臣秘書官、中近東第二課長、中近東第一課長、日米安全保障条約課長、中東アフリカ局参事官などを経て2005年退官。2006から2007年第1次安倍内閣「公邸連絡調整官」として首相夫人を補佐。現在、立命館大学客員教授、外交政策研究所代表。2009年4月よりキヤノングローバル戦略研究所研究主幹
読んでいただきありがとうございました!
この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングへ
コメントする