「採るべき人 採ってはいけない人 採用に悩む小さな会社のための応募者を見抜く技術 」奥山 典昭
2016/11/29公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★★☆(84点)
要約と感想レビュー
上司は自分のために働く社員を引き上げる
人事採用というと「書類」と「面接」で行う会社が多いと思います。著者の採用方法は、応募者でグループ討議をしてもらいその様子を観察して評価する方法です。この方法をアセスメント(行動分析)と表現しています。
確かに面接では、その人を評価できるはずがない。やる気や誠実さを面接で見極めることはできないのです。かといって、インターンのように1カ月テストで働いてもらうわけにもいかない。そこでこのアセスメントが役に立つのです。
・評価したい人たちを一カ所に集め、仕事の場面を想定したケーススタディ(グループ討議など)に取り組んでもらい・・その人たちの言動を観察して分析して仕事のやり方を観察する(p3)
グループ討議の課題では、「A4の紙いっぱい×二枚」の情報量の多いものを作成してそれを読もうとする学生と、触れずに済まそうとする学生とを見極めるという。また、グループ討議の中で、「突飛な発言を繰り返す」「発言があちこち飛ぶ」ような人は、自己中心的な人である可能性が高いのです。
面白いのは、愛想のない人に優秀な人が隠れているということです。確かに優秀な人は、媚びを売らないのです。愛想のない人は「無駄のない人」であり、採用に足る人であることが多いのです。
・逸材は、媚びや迎合と無縁である(p58)
グループ討議によって、組織のために動ける「大人の意識」を持った人を見極められるというのは、目からウロコでした。反対に、利己的な自己目的で動く人もわかるというのです。急に多弁になったり、たたみかけるように話したり、必要以上に声を張り上げたりする人は要注意だそうです。
グループ討議による採用試験の可能性を確認できました。奥山さん、良い本をありがとうございました。
無料メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」(独自配信) 3万人が読んでいる定番書評メルマガ(独自配信)です。「空メール購読」ボタンから空メールを送信してください。「空メール」がうまくいかない人は、「こちら」から登録してください。 |
この本で私が共感した名言
・急に多弁になったり、たたみかけるように話したり、必要以上に声を張り上げたりする行動・・去勢を張り、自分の弱さを隠し通すための努力を繰り返していたのでしょう(p175)
・問題解決領域での仕事は、火消しではなく、火が出る原因を突き詰めて元を断つ仕事です(p95)
秀和システム
売り上げランキング: 3,351
【私の評価】★★★★☆(84点)
目次
序章 小さな会社が「生産性の高い人材」を採用するために必要な心構え
1章 面接では好印象だったのに、なぜ入社後にがっかりするのか
2章 最強の人材評価メソッドから学ぶ「生産性の高い人材」を見抜く技術
3章 人を観る目を作る「視点の絞り込み方」
4章 応募者の心の成熟を示す「対象に向き合う力」
5章 グループワークで応募者の「対象に向き合う力」を見抜く技術
6章 説明会や面接で応募者の「対象に向き合う力」を見抜く技術
著者経歴
奥山 典昭(おくやま のりあき)・・・概念化能力開発研究所株式会社代表取締役。アセスメントセンター(米国発の能力分析手法)のプロフェッショナルアセッサー会社設立。2009年以降は、「アセスメントセンターを使った新卒採用アセスメント」の依頼が増え、毎年2000名以上の大学生の「仕事力」と向き合う。2012年に「採用アセスメントの内製化支援」の取り組みを始め、今では、連日「応募者の本質を見抜くプロのノウハウ」を伝授する。
読んでいただきありがとうございました!
この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングへ
コメントする