「3日でわかるローマ帝国」阪本 浩
2016/09/01公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
■500年もの間、ヨーロッパを支配した
古代ローマとは何だったのでしょうか。
軍事力で周辺地域を攻略し、
どのように支配したのでしょうか。
そうした疑問を持ちながら
読み始めました。
・重装歩兵とは、ブロンズのヘルメット、
胸甲、脛当てで完全武装し、ブロンズ貼りの
直径約90cmの丸盾と槍を持つ歩兵である(p26)
■興味深いのは、
古代ローマの崩壊の原因が、
異民族の侵入だったということです。
周辺の勢力が
ローマを怖れているうちは、
ローマは攻撃されることが少なかった。
それに対して、
平和的な政策を行うようになって
短期的には平和が続きましたが、
長期的には異民族の侵入が増えたのです。
・後継者ハドリアヌスは帝国が拡大しすぎたと考え、
守勢に立つことにした・・短期的に見れば
平和が維持されたが、長期的に見れば、
攻撃的な帝国が守勢に回ったことで、
実は弱体化したのではないか、という
印象を異民族に与えてしまった・・(p175)
■古代ローマにおいて
イエス・キリストに語りかけ
キリスト教が生まれているのも
興味深い。
いかに偉大な帝国であっても、
時とともに環境が変化し、
いずれは崩壊するということも
わかりました。
阪本さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・重装歩兵が3列に編成される。
若い者が第1列(ハスタティ)、
20代後半から30代前半が第2列
(プリンキペス)、これが主力である。
年長者は第3列(トリアティ)(p50)
・死傷者数については、一方的であることが多い。
勝者側の損害は5パーセント程度と少なく、
敗者側は半数以上が死傷するという
大打撃を受けるのが一般的であった(p52)
・帝国は、絶対に侵入を許さない。
戦闘では絶対に負けない、という印象を、
ゲルマン人に常に与えていなければならない・・
攻撃的な野戦軍、そのイメージが
属州への侵入を抑止していたのである(p169)
・農民が槍を持たなくなった時から、
崩壊へのプロセスが始まった・・
農民=市民は武装解除されて
「平和」の中で非軍事化し、
無関心な大衆となっていた(p213)
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
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■目次
第1章 王政から共和政へ、初期ローマの変遷―古代ローマはどう興り、どう強くなっていったのか?
第2章 鋤と槍‐共和政を支えた人々―農民の軍隊はどのように戦ったのだろうか。
第3章 ローマの拡大‐世界帝国への道―なぜ、帝国になるまで、戦い続けたのだろう。
第4章 共和政の危機―巨大な「帝国」に合うシステムを求めて改革が始まる
第5章 元首政―オクタウィアヌスが作り上げた新体制とは?
第6章 元首政の主役たち―皇帝とその周辺で活躍・暗躍した人々の実相は?
第7章 ローマの平和―ほんとうに「人類史上最も幸福な時代」だったのか?
第8章 3世紀の危機―ローマ帝国は滅亡をどう先送りしたのか?
終章 後期ローマ帝国―そして、帝国は滅亡の時を迎えた
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