【私の評価】★★★☆☆(75点)
■情報が溢れる現代。
正しい情報もあれば、
歪曲された情報もある。
この本では、歪曲の実例を見ながら、
情報を受け取るときの
注意点を学びます。
・地球温暖化、狂牛病、ナノテクノロジー、
遺伝子組み換え食品、コレステロール低下薬の是非、
レジ袋禁止の効果など、われわれが日々大量に
受け取るメッセージのほとんどは・・・
そのごく一部だけを見せるように
周到な選択が施されている(p7)
■よくあるのは、
一部の情報だけを強調することで、
誤ったメッセージを伝えてしまうもの。
たとえば、
バナナがダイエットに良いからといって、
バナナだけ食べていては
健康に悪いでしょう。
地球温暖化ガスが問題といっても、
本当にそれが原因で地球が
温暖化しているかどうかは
100%確かではない。
100%安全でない原子力を停止するなら、
100%安全な自動車でなければ、
自動車を使用停止するということに
なってしまうのです。
・メディアは疑ってかかるべきだ・・・
誇張したり,歪曲したり,過度に単純化したりして,
最新の科学ニュースとしてセンセーショナルに
書きたてることが少なくない(p40)
■意図的な情報操作だけでなく、
限られた情報の中で決断することで、
間違うこともあるようです。
特に医療や医薬品関係では、
人間を相手にするだけに、
100%確実な検証は難しいとのこと。
国家の判断が操作されると
影響が大きいので注意したいものです。
シーサラーさん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・広告ほど信頼できない情報源はない・・
広告の目的は,その商品を売り込むことの
一点に尽きるからである(p76)
・遺伝子組み換え作物は,はるか以前から,
多くの農作物に対して私たちが行ってきた
品種改良の延長線上にあるものであり,
作物を人為的に変えるべきではないという
倫理的な反論は成立しにくいといえる(p101)
・人為的な温室効果ガスの排出量にもとづいて
地球の温度上昇を正確に予測できるかどうかは,
この先数年,ないし数十年間に,自然の気候変数が
どのように変化するかにも左右される。
太陽放射の量は周期的に変動しているが,
そうした変動によって太陽放射が減少したならば,
二酸化炭素その他の温室効果ガスの増加によって
起こると予測されていた温暖化が相殺される
ということもあり得るのである(p103)
・「何と比較してか」を確かめる・・
消費支出が何%伸びた,税金が何%上がった・・
どれだけの期間に起きた変化なのか?
消費支出額はインフレ率で補正してあるのか,
ないのか?(p116)
・空中ブランコに乗って救急室に
運び込まれる人の数よりも,
フリスビーをしていて救急室に
運び込まれる人の数のほうが多いからといって,
空中ブランコよりもフリスビーのほうが
危険だということにはならない。
フリスビーの競技人口は,空中ブランコ乗り
の人数よりも圧倒的に多いからである(p112)
・マンモグラフィー検査は,初期のがんを
見つけるのにもっとも効果的な方法だが,
専門家の多くが,閉経前乳がんの家族歴のない
若い女性にとっては,メリットよりも
デメリットのほうが大きいと主張する(p145)
・ある薬の非常に長期的な健康影響を,
市場に出す前にヒトで評価することは
現実には難しい。・・
法外な費用がかかるだけでなく,
新薬の開発と承認に要する期間が
さらに何十年も延びる・・(p154)
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
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■目次
第1章 よくある科学への思い込み
第2章 利害と科学情報の関係性
第3章 科学問題は2択クイズじゃない
第4章 コンテクストと選択
第5章 偶然と因果関係との境界線
第6章 特殊か普遍か
第7章 数字のトリック
第8章 社会における科学
第9章 情報の落とし穴
結び 本書で紹介した知恵20箇条