「40代を後悔しない50のリスト 1万人の失敗談からわかった人生の法則」大塚 寿
2016/04/13公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(82点)
要約と感想レビュー
リクルートを経て、企業研修の会社を設立した著者が教える「後悔のない会社人生の生き方」です。著者が企業研修で気づいたのは、後悔している50代サラリーマンが多かったということです。なぜ後悔するかといえば、50代前に自分の人生についてじっくり考えなかったからではないでしょうか。
自分は何が得意なのか、自分を使って何をなすのか。そういうことを考えてこなかったのです。考えていないということは、実現することもないわけです。ただ、会社組織の中にいると、「すべきこと」を処理するだけで、その結果、自分の「やりたい」ことがわからなくなってしまいます。そこで、著者の提案は、通勤時間に「自分自身と人生を振り返る」時間にあてることなのです。
・自分の人生そのものの優先順位・・「たった一度きりの人生で何を手に入れたいか」を円グラフ化する(p44)
興味深いのは、著者の仕事への取組み姿勢です。仕事を面白くするためには、八割は守りでいいから二割だけは攻めることがコツだという。そして、勝負するためにも、自分が勝てる領域を作るのです。自分で自分の都合のいいように勝手につくってしまうのが肝心だという。
そのために著者がお勧めするのは「週末時間」の活用です。週末の土曜日、日曜日をそれぞれ「午前」「午後」「夜」とに三分割して、合計六つの塊にした上で、それぞれの塊で何をするのか計画するのです。
・新しい知見を得るためには、二つの方法しかありません。それを知っている人に聞くか、本を読むかです(p187)
50代になれば終わりも見えて、それまで蓄積したものを使って成果を出していく時期です。それまでどのような心積もりをしながら仕事をしてきたのか、50代になるとはっきりと現れるのでしょう。そういう意味では、50代とは収穫の時期であり、とても楽しい時期なのだと思います。
実際、著者が話を聞いた50代の人では、すでに出世レースの結論も出ているために肩の力を抜いて仕事に取り組めることに加え、残りの時間で会社に何を残すかということに力を入れることで、逆に40代より仕事が楽しいという人が多かったというのです。
いずれ会社人生にも終わりがきます。自分の人生にも終わりがきます。できれば後悔の少ない人生にしたいものです。大塚 さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・上司が現在の組織の中でどこまで上れる人物なのかを積算しておきます・・上司がモノを決めるときに何を基準にするか、何を大切にするか、その優先順位を押さえておきます(p217)
・交渉力の強い人は何といっても大局的に物事を見て・・まずは相手の立場や状況を的確に把握し、その上で必ず「共感」している点について伝えているのです(p107)
・無理して趣味を持とうとするなら、いっそのこと「人の趣味に乗っかる」ことをお勧めします(p208)
▼引用は下記の書籍からです。
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★★☆(82点)
目次
第1章 この10年で何より大切にしたいこと
第2章 プレイングマネジャーとして本当に必要なこと
第3章 忙しいだけで終わらないために工夫すること
第4章 人生を左右する「人付き合い」で知っておくべきこと
第5章 年相応に学ぶべきこと
第6章 会社・社会との向き合い続けるために考えておくこと
著者経歴
大塚 寿(おおつか ひさし)・・・1962年群馬県生まれ。株式会社リクルートを経て、アメリカ国際経営大学院(サンダーバード校)でMBA取得。現在、オーダーメイド型企業研修を展開するエマメイコーポレーション代表取締役。リクルートの営業マンという立場から、社内外の大手企業・中小企業の社員や経営者1万人以上にアドバイスを求めるが、その中でも40代を後悔している人が特に多いことを発見。その轍を踏まないように準備し、40代で年収を10倍アップさせる。
読んでいただきありがとうございました!
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