「リセット!―タバコ無用のパラダイス」磯村 毅

【私の評価】★★★★☆（83点）

要約と感想レビュー

　最近は、テレビで禁煙外来のＣＭを見るようになりましたね。禁煙について調べてみると禁煙の方法には、3種類あることがわかりました。タバコの悪いところを知る嫌悪型。タバコ依存の仕組みを知る理解型。ニコチンパッチなどを使う努力型です。

　この本はタバコ依存の仕組みを知って、タバコ依存からの解放を目指す理解型の本です。タバコはあなたを、ストレスや軽いうつ状態から救っているように見せながら、実はあなたをストレスや軽いうつ状態へ落とし込んでいた張本人なのです。

・心の依存とは「間違った思い込み」・・「タバコがストレスを解消してくれる」なんていうことを、うっかり本気で信じてしまったら、・・タバコが吸いたくなってしまいます（ｐ98）

　どうして人は、体に悪いと知りながら、タバコを吸ってしまうのか。それはタバコを吸ったときに、「気分が落ち着いた」と誤解してしまうからです。確かにタバコを吸ったときには、ニコチン切れは解消されますが、タバコを吸うことで、別のストレスは増えていくのです。

　つまり、タバコは気付かないようじわじわと増やし体を破壊しながら、タバコを吸ったときだけはちょっとだけストレスを緩和してくれるのです。タバコが解消してくれるのは、ニコチン切れのストレスですだけなのです。

・お母さんは、タバコを吸っているときはニコニコして機嫌がよい・・・この子のお母さんがしょっちゅうイライラしているのは、普段タバコを吸っていて・・幸せが感じにくく不安が募りやすくなってしまっているためかもしれないのです（ｐ92）

　タバコとは、異性に寄生するヒモのようなものだと思いました。良いことがあるように見せかけて、大切なものを奪うのです。その本性を理解すれば、タバコから離れることができるのかもしれません。磯村さん、良い本をありがとうございました。

この本で私が共感した名言

・タバコは天才的なスリに似ています。・・お小遣いあげるよ・・・別れたとたんおじさんはあなたからお金をすり取っていきます。あなたは全く気がついていませんからお金が減るとまたおじさんに会いに行きたくなります（ｐ53）

・禁煙すると、食事がおいしくなる・・私は、禁煙したことで、幸せが感じやすくなり、食事本来の楽しみを味わいやすくなった　からだと考えます（ｐ70）

・禁煙しろと言われると、単にタバコを止めるだけではなくタバコの助けを借りて感じていた幸せをすべて失ってしまうように感じてしまうのです（ｐ84）

【私の評価】★★★★☆（83点）

著者経歴

　磯村 毅（いそむら　たけし）・・・古屋大学医学部卒業。医学博士。テキサス大学医学部研究員、名鉄病院呼吸器科部長を経て、現在、トヨタ記念病院禁煙外来。
リセット禁煙研究会代表。子供をタバコから守る会世話人。

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