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「技芸(アート)としてのカウンセリング入門」杉原 保史

2016/04/15公開 更新
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技芸(アート)としてのカウンセリング入門

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■仕事として人の話を聞くカウンセラーの
 技術をまとめた一冊です。


 話を聞くといっても、
 表面的な言葉だけを
 聞くのではありません。


 その背後にある心の動きを感じとり、
 聴いてあげる。


 そうすることで、
 クライアントの視点を
 変えていくのです。


・心を自由にして、どのような心の動きも
 生じるがままにし、
 ありのままの心のようすに気づきながら、
 今ここにただ存在し、ただ聴く。(p70)


■そうした技術は、
 本を読んだからといって
 分かるものではありません。


 クライアントに質問するにしろ、
 同じ言葉でも、そこまでの信頼関係や
 言い方
で伝わることは違うのです。


 だから著者の研修は、
 著者のカウンセリングを見てもらって、
 それから講義に入ります。


 やってみせて、言って聞かせて、
 やらせてみるのですね。


・新しい形式での研修・・・
 20~30人ほどの輪の中で一時間ほどの
 カウンセリングを私が実際に行って見せて、
 その後、みんなで話し合う(p12)


■人間関係というものは、
 知っているのと、
 できるのはちがうのだと
 分かりました。


 具体的な質問や問いかけの例が多く、
 分かりやすい。


 杉原さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・他のあらゆる働きかけに先行して、
 援助的な人間関係が形成されていることが
 必要なのです(p30)


・文字にすればまったく同じコメントも、
 どんな声で言うかによってその効果は
 まったく違ったものになるのです(p29)


・声を聴く、
 態度や様子を聴く(p47)


・質問が担っている最も重要な働きは、
 クライアントの注意を特定の方向へと
 差し向けることです(p90)


・常に自己否定、自己疑惑、自己憐憫を伝えるような
 話ばかりするクライアントがいます。こうした
 クライアントの呼吸をよく観察してみると、
 慢性的に浅い速い胸式呼吸になっているのが
 見られることがしばしばあります(p115)


・クライアントの体験を促進する・・
 自分自身が知らず知らずのうちに遠ざけ、
 抑え込んでしまっていた体験に直接的に
 触れることができるように導く(p18)


・「情動が大切だ」ということを
 知的に理解していることと、
 実際に面接の中で情動を喚起することとは
 まったく別のことなのです(p22)


語られない不安・・まさに不安の働きゆえに、
 自分が不安を感じる事柄については、
 反射的、自動的、習慣的に気づかないように
 なってしまっているのです(p155)


・クライアントが、
 「先生はご結婚されているんですか」
 と尋ねるとき・・大事なのは、
 質問に答えることよりも、
 質問の背後にある心の動きを
 理解することの方でしょう(p99)


技芸(アート)としてのカウンセリング入門
技芸(アート)としてのカウンセリング入門
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杉原 保史
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【私の評価】★★★☆☆(73点)


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■目次

第1章 カウンセリングとは
第2章 カウンセラーの聴き方
第3章 マインドフルに聴く
第4章 応答技法について
第5章 カウンセラーの声、呼吸、姿勢
第6章 カウンセラーの話す技術
第7章 クライエントの心理における不安の働きを理解する

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