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「スーパーの裏側」河岸 宏和

2016/04/05公開 更新
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スーパーの裏側


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー

 ハム工場、コンビニ向け惣菜工場、卵加工工場などで働いていた著者の一冊です。


 10年前の本ですので、現在どこまで同じか分かりませんが、この本で著者が最も問題意識を持っているのは、"卵"です。この玉子の賞味期限があやしいのだという。


なぜ、土日や特売日に、賞味期限が同じ卵を10倍仕入れることができるのか?・・簡単にいえば、土日・特売日にたくさん売れるよう、「日付をごまかし」ているのです(p143)


 日本では"卵"は生で食べますが、海外では"卵"は生で食べません。これは日本の衛生管理が優秀というわけではなく、意識が違うだけらしいのです。


 日本卵業協会のホームページには次のような記載がありました。"たまごのサルモネラ菌の汚染率は 0.003%程度といわれ、 極めて低いものです"0.003%は低いように思えますが、100万個なら30個は汚染されているということ。卵を生で食べるときには、それなりに食中毒リスクがあるのです。


 だから、海外では、生で卵を食べることは一般的ではないのです。


・サルモネラ菌に汚染された卵などを食べて、年間で約8000人がサルモネラ中毒にかかっています。これは保健所に届出があったケースのみなので、実際にはその300倍はサルモネラ中毒が起きているとも言われています(p148)


 製造日については、パックをしたのが製造日とのこと。まぐろのサクで、売れ残ったのは刺身にしてパックすれば、その日が製造日です。業界では"使い回し"と呼びますが、法律的には問題ないとのこと。


 河岸さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・卵の賞味期限は、「産卵日」から数えるものだと誰もが思うでしょう。しかし、実際にはそうではなく、「パックに詰めた日」から換算しているのです。それで法律上は、まったく問題ありません(p143)


・鶏肉を中途半端に加熱して、卵を半熟で仕上げて、室温で販売している親子丼弁当などは、「サルモネラ中毒がいつ起きてもおかしくない弁当」とさえ言ってしまってもいいと私は思います(p150)


・先進国で卵を常温販売しているのは、日本だけです・・アメリカでは、卵は法律で定められた温度帯「7.2℃(華氏55度)」で販売しています。ヨーロッパでも、冷蔵販売しています(p152)


・サクだけ値引きしていないスーパーがあったら、要注意です。これは「売れ残っても翌日使える」という腹があるから、サクの値引き販売をしないのです(p28)


・厨房に入ると、そこではまさに、「昨日」のパックを「今日」の日付のラベルに張り替える作業の真っ最中ではありませんか・・ラップをし直し、ラベルを張り替えることを「巻き直し」といいます(p51)


・「売り切れ」のない店を私は信用しません・・いつ見ても、きれいなケーキがたくさん並んでいます・・「なぜ閉店間際でも、商品が売り切れることなく大量に並んでいるのだろう?(p127)


スーパーの裏側
スーパーの裏側
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河岸 宏和
東洋経済新報社
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【私の評価】★★★★☆(83点)



目次

第1章 スーパーGメンが行く! 今日もスーパーでは「珍事件」が起こる
第2章 「賞味期限」はスーパーで勝手に決められる!?
第3章 お惣菜の実態――売れ残りでつくるのが当たり前!?
第4章 すべての偽装は「卵」に通じる


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この著者の本


コメント(2)

「・先進国で卵を常温販売しているのは、日本だけです・・」


この一文には本のページ数が書かれていないので、
本のソムリエさんの言葉だとおもいますが、

数年前までイギリスに15年間住んでいましたが、イギリスの全ての王手スーパーマーケット、例えば大衆向けのASDAから、英国王室御用達(といってもたいしたことはないですが)のWaiterose(ウエイトローズ)まで、生卵は常温で販売されていて、むしろ冷蔵販売している店は過去一度も見たことがありませんでしたよ。
イギリスも一般的には先進国扱いのはずですから、常温販売は少なくとも日本だけではありません。


余談ですがアメリカでは冷蔵販売されています。それでも卵によるサルモネラ菌の食中毒で毎年何万人と病院に行きますが。イギリス(EU)とアメリカでは生卵の洗浄・殺菌の仕方が違いますので、管理方法が違ってくる理由の一つかもしれませんね。ちなみに日本はアメリカ式洗浄・殺菌方法です。ご興味があるようでしたら殺菌方法については検索してみてください。


では今後も末永くメルマガが続きますように。
こちらも毎日ブログをポチします。

「・先進国で卵を常温販売しているのは、日本だけです・・」

これは、この本からの情報です。

著者はアメリカが主で、イギリスには行っていないのかもしれませんね。

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