「近藤誠氏の『がんもどき理論』の誤り―病理医の見たがんの真実」斎藤 建
2015/10/18公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)
■近藤誠氏の『がんもどき理論』という
ものがあるという。
確かに、がん検診の効果はあるのか、
抗がん剤は効果があるのか、
高齢者のがん治療は意味があるのか、
といったことは、
状況によって判断が難しいところが
あるようです。
■内容については、
標準的な医療関係者の主張と
同じものとなっています。
「がん」という病気に
まだ確定した治療法はありません。
これから歴史が作られるのでしょう。
斎藤さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・胃閉塞や出血による貧血などの症状がある
進行胃がんでは、・・・胃を全部とって、
食道と小腸をつながなければ
ならなくなることが多いのです・・・
ほぼ三分の二の患者さんが五年以内に死亡する(p24)
・乳がんでは、胃がん、大腸がんなどと違い、
抗がん剤の延命効果が臨床的研究で
明らかになっています(p89)
・胃、腸の小さい粘膜内がんでは、胃、腸を切除しない
というのが、現在の消化器病学の原則です・・・
大腸がんのポリープがん、微小浸潤がんに
腸切除はしません(p153)
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)
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■目次
第1章 近藤誠氏の「がんもどき理論」の言う通りにすると、治るがんも治らなくなってしまいます
第2章 がん治療の前に、がんと診断する...それがわれわれ病理医の仕事です
第3章 がんは「本物のがん」と「がんもどき」の二種類に分類できるほど単純ではありません
第4章 がん細胞は増殖し、浸潤し、それから転移します。浸潤しなければ転移はしません
第5章 乳がんと闘って亡くなられた千葉敦子さんの手記をもとに、近藤氏の見解の誤りをつく
第6章 がんは進行するほどに予後が悪くなる。これを認めない「がんもどき理論」は間違いです
第7章 進行がんも最初の時期はゼロ期がん。浸潤だけでも命とり。だから、がんを放置するなかれ
第8章 手術は役に立ちます。しかし不必要な拡大手術はやめさせなくてはなりません
第9章 早期発見・早期治療がベスト。でも早期がんでなくても小さければ治せる可能性が高い
第10章 最良の治療法を選択するには、間違った説ではなく、がんの真実の姿をよく知ることです
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