「ロボット兵士の戦争」P・W・シンガー
2015/08/14公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★☆☆(70点)
要約と感想レビュー
ロボットが戦争する時代が来ています。これは、武器が刀から銃に変わったときと、同じくらいのインパクトがあるはずです。銃が戦争を変えたように、ロボットが戦争を変えるのです。
中東ではドローンが遠隔操作により、人を殺している。次はレーザー、マイクロ波でしょうか。過去の戦争の記録からは、新しい戦い方を選択した方が、戦争に勝っている確率が高いのです。日本もそうした時代に適応していかなくては平和と安心は維持できないのでしょう。
興味深かったのは、多くの国が、実際に攻撃されなくても自衛権を行使できるとさえ主張しているということです。例えば火器管制レーダーが飛行機を標的にすれば、飛行機のパイロットは対空ミサイルを発射される前にく、先に攻撃できるという考え方です。2018年に日本海で自衛隊の哨戒機が韓国海軍の駆逐艦から火器管制レーダーの照射を受けたので国によっては反撃を受けてもしかたがないくらいの事象であったということです。
現代の戦争は、ロシアのウクライナ侵攻を見るとわかるように、ドローンで場所を特定すれば、そこに正確にミサイルや榴弾砲弾が落ちてくるようになっています。場所さえわかれば、暗殺は簡単な時代なのです。恐ろしい時代になってきました。シンガーさん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・REDOWL(Robotic Detection Outpost with Lasers)・・・レーザーと音響探査機を使う・・部隊を大胆にも狙撃してくる敵がいれば、見つけ出して、直ちに赤外線レーザーで捕捉する(p168)
・ヒズボラはイスラエルの携帯電話ネットワークにまで入り込んで、戦場にいるイスラエル軍の司令官や兵士が本国にかける電話を盗聴し、無線のコードネームなど個人情報を手に入れた(p383)
・2006年、アルカイダの部隊がイラクのバスラ郊外でイギリス軍を狙おうとしたとき・・・グーグルアースから基地の画像をダウンロードした・・アルカイダ側は迫撃砲の照準を、イギリス軍基地内の頑丈な建物ではなく、無防備なテントに合わせることができた(p392)
【私の評価】★★★☆☆(70点)
目次
序文 なぜロボットと戦争の本なのか
第1部 私たちが生み出している変化
第2部 変化がもたらすもの
著者経歴
P・W・シンガー(Peter Warren Singer)・・・米ブルッキングズ研究所の上級研究員。『戦争請負会社』(NHK出版刊)では、各国が軍務を外注しはじめたことで急成長を遂げた軍事請負産業と紛争ビジネスの実態をあきらかにし、世界の注目を集めた。国防総省やCIAの顧問でもある。2009年、米外交専門誌フォーリン・ポリシーの「世界情勢に最も影響を与えた思想家100人」に選ばれた。
読んでいただきありがとうございました!
この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングへ
コメントする