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「巨大津波 地層からの警告」後藤 和久

2015/08/09公開 更新
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「巨大津波 地層からの警告」後藤 和久


【私の評価】★★★☆☆(72点)


要約と感想レビュー

地質学者による過去の地震の記録を遡ります。地震と津波の日本最古の歴史記録は、南海トラフ沿いで684年に発生した白鳳地震・津波です。南海トラフ沿いで発生する地震の特徴は、津波を伴うマグニチュード8以上の巨大地震が、最短で100年程度の間隔で繰り返し発生していることなのです。


東北地域では2011年の東日本大震災と類似の巨大地震として、869年の貞観地震津波が平安時代の「日本三代実録」(901年)に記述されています。869年の貞観地震津波は、915年に降下した「十和田a」と名付けられた火山灰層のすぐ下に津波堆積物を残しています。そして貞観津波堆積物の数十cm以下にも、土壌を挟んでもっと古い別の津波堆積物が複数発見されており、巨大地震が繰り返し起きていることがわかっているのです。


日本には津波石と呼ばれる、巨大津波によって陸地に移動させられた巨石が見られます。津波石は過去にこの地を襲った証拠なのです。また津波は日本を襲うのでしょう。後藤さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・イベント堆積物・・津波や地すべり、洪水、高潮、隕石衝突、火山噴火などによって大量に移動して堆積(p36)


・地震学では、マグニチュード7以上を大地震、8以上を巨大地震、9以上を超巨大地震と読んでいます・・マグニチュード8を超える巨大地震は、世界的に見ても年に一回程度(p46)


▼引用は、この本からです
「巨大津波 地層からの警告」後藤 和久


【私の評価】★★★☆☆(72点)


目次

第1章 巨大津波は繰り返す
第2章 地層は知っている―過去の巨大津波
第3章 東日本大震災から学び続ける
第4章 地層が描き出す日本の津波災害地図
第5章 石垣島を襲った大津波を読み解く
第6章 世界中に残る巨大津波の爪跡
第7章 「地層からの警告」を見逃すな



著者経歴

後藤和久(ごとう かずひさ)・・・1977年生生まれ。東北大学災害科学国際研究所准教授。東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター助教、千葉工業大学惑星探査研究センター上席研究員を経て現職。専門は地質学、とくに先史・歴史時代の津波現象、地球外天体衝突と生物絶滅、原生代初期のスノーボールアース現象、火星の地質研究など


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