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「聞けば叶う~わもん入門」薮原 秀樹

2015/02/12公開 更新
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聞けば叶う〜わもん入門


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー

「わもん」とは「話し」を「聞く」ということ。「話聞(わもん)」。傾聴という言葉がありますが、聞くということを極限まで極めたのが「わおん」なのでしょう。話し手の「声なき声」を感じとることが大切であるという。実は、自分の「声なき声」に気づいていないことさえもあるのです。


ひたすらに聞くことで、相手は心を開き、自分で導いた答えを受けいれることができるのです。また、完全沈黙とは、なにも考えずに、話し手が話を終えるまで聞ききることです。そのとき邪魔になるのが、自分のなかにわいてくる、考えや感情であり、それを鎮めていくのだという。


・自分の弱さを見つめるのは、つらいことです。ひとりでは目をそむけたくなり、くじけそうになります。そこに、絶対尊敬を贈り、すべてを受けとめる聞き手がいると、話し手は力を得て、自分自身をありのままに受けいれられるようになっていきます(p85)


コーチングのセミナーで「ただ、受け取る」というワークを思い出しました。初対面の人と真正面から対面すると、目を合わせにくいもの。この相手の話を「ただ、受け取る」ワークをした後では、お互いに目を見つめ合うことができたのです。つまり、相手を信頼関係ができたということなのでしょう。


仮に話し手が仕事や生活の不平・不満や、他人の批判・グチを言いだしたとしても、聞き手はさえぎったり、話し手を否定したりせずに、すべてをそのまま受けとめるのです。これを著者は、「心の砂出し」と呼んでいます。


・「わもん」における聞き手の存在は、話し手にとって、まさにこの「わたしの太陽」ではないかと思っています(p92)


Yおじさんを思い出しました。Yおじさんは、いつも自分を受け入れてくれたのです。Yおじさんは天国へ行かれましたが、自分の中ではいまも生き続けています。ただ、聞いてくれる人、認めてくれている人がいかに大切なのかということでしょう。


そのただ聞いてあげるだけでなく、なぜそう思うのか、どんな経験がその気持ちを生んだのか、話し手のものさしのなりたちを聞きこんでいきます。受けいれてあげる大切さを教えてくれる一冊だと思いました。薮原さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

人の心は、変えようとしても変えられません・・・聞き手にできるのは、絶対尊敬を贈り、全力で話を聞き、気づきをお手伝いすることです(p25)


・完全に納得定着できるのは、人からあてがわれたのではなく、自分で発見した答えです(p75)


・自分の意見は最後の最後までしまっておく(p77)


聞けば叶う〜わもん入門
聞けば叶う〜わもん入門
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薮原 秀樹
サンクチュアリ出版
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【私の評価】★★★★☆(83点)


目次

第1章 絶対尊敬
第2章 完全沈黙
第3章 聞き手未熟
第4章 話聞一如



著者経歴

薮原 秀樹(やぶはら ひでき)・・1963(昭和38)年、徳島に生まれる。大阪在住。株式会社わもん代表取締役、人材育成コンサルタント。20代で西洋哲学を、30代で東洋哲学を学び、40代で東洋哲学と西洋哲学を融合させた「わもん(聞くことによる自己修養法)」を完成させる。人の能力を最大限に引き出す「わもんコンサルティング」が反響を呼び、現在は行政・企業のコンサルティング、人材育成研修、講演等を行っている。現在は、聞き方教室「わもん塾」を全国で展開中。趣味はマラソン。故郷の阿波踊りには毎年参加している。幕末の志士中岡慎太郎をこよなく愛し、高知県に行くたびに中岡慎太郎館を訪れている。


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