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「人を動かす話術」鈴木健二

2014/10/27公開 更新
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「人を動かす話術」鈴木健二


【私の評価】★★★☆☆(78点)


要約と感想レビュー

NHKアナウンサーであり、あの『クイズ面白ゼミナール』の司会者だった鈴木健二さんの一冊です。NHKアナウンサーでもサラリーマンなんだな・・と思いました。出世するコツは、どこの会社でも、だいたい同じなのです。つまり、ハイと返事をして、メモを取り、再確認して、仕事をするということです。質問はありませんかといわれたら、何でもいいからまっ先に手を上げ、「質問してもよいですか」と、手をあげてみることが出世のコツだという。


サラリーマンとは、運がよければ過去約二十年間に積み重ねてきたものを発揮するために、部長となります。ただ、それはサラリーマンなら誰でもやってみたい最終目標の閉ざされた門の前の入口にたどりついたに過ぎないのです。


・用件をいわれたら、必ずメモをとり、とり終わったら、相手に確認してもらうために、もう一度、いってみることである(p101)


新入社員から部長までサラリーマンの常識が書いてあるので、自分のレベルに合ったところを読めばよいのでしょう。


若いときは、仕事の基本を覚える。ベテランになったら自分で仕切って課長を助ける。課長になったら、課長らしく頼りがいのある人になるべきなのでしょう。そして課員のやる気を引き出すのです。


だから、会議の司会をする際には、内容についてある程度の知識を持ち、事前に自分なりの意見を用意することが望ましいという。もし、司会者が何も持っていないと、やたらに多勢の意見に振り回されて収束しなくなってしまうのです。つまり、伝えるべき事項はあらかじめ整理しておくべきであり、"エーと"などといいながら、手帳やノートをひっくり返しているようではまだ頼りないと感じられてしまうのでしょう。


・会場全体の課員とつねに平等に顔を合わせる・・・あなたは課員の生殺与奪の権を握っているのである・・課員の心の中には、あなたに存在を認められようとする小さな小さな出世欲がある(p200)


40年以上前の本ですが、日本の職場はあまり変わっていないようです。いろいろな人が、自分の特徴を生かして、助け合って成果を出すのが、理想だと思いました。NHKもサラリーマンだとわかりました。鈴木さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・私はことばをよくしようと思ったら、まず第一に「わたくし」といえるようになることだと、かたくなに信じている(p36)


・さっさと電話を切る人がいる・・・相手が切る音を聞くまで、自分は絶対に電話を切らないこと。これが鉄則である(p102)


・サラリーマンは大部分がつねに群衆なのである。中に何人かのきわ立った才能を持った男がいる。それを群衆はいつでも嗅ぎわける力を持っている・・黙っていても、群衆は英雄を選び出す(p167)


「人を動かす話術」鈴木健二
人を動かす話術
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鈴木健二
大和出版(文京区)
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【私の評価】★★★☆☆(78点)


目次

最初のひとことが道をひらく 新入社員コース
人の心をとらえる話し方 主任コース
人に認められる話し方 係長コース
人を動かす話し方 課長コース
信頼される話し方 部長コース



著者経歴

鈴木健二(すずき けんじ)・・・1929年生まれ、東京都出身。元NHKアナウンサーとして、数多くの名番組の司会・進行役を務めた。『歴史への招待』や『クイズ面白ゼミナール』は鈴木にとっての代名詞的な番組となる。特に『クイズ面白ゼミナール』は、最高視聴率42.2%を記録したほどの大人気番組に成長。鈴木アナウンサーの「知るは楽しみなり...」という冒頭の名文句が定番のあいさつとなった。司会の鈴木「主任教授」がゲスト解答者の「学生」に出題し、名解説を繰り広げた。


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