「ストーリーとしての競争戦略」楠木 建

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ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)

【私の評価】★★★★☆(85点)


■戦略というとかっこいいのですが、
 戦略とはいったい何なのでしょうか。


 この本では、戦略とは経営者が
 頭の中に描いた道筋
 ストーリーであるとしています。


 戦略が正しいから成功するわけではなく、
 うまくいったストーリーが
 戦略なのです。


・未来は不確実です。どんなに精密に分析しても、
 結局のところ将来どうなるかは正確にはわかりません。
 どこかに一つ正しい戦略があるわけではないのです・・
 われわれはこの道筋で進んでいこうという
 明確な意思、これが戦略ストーリーです(p50)


■優れた戦略は、一見非合理です。


 だれもが、
 「そんなバカなことを・・」
 と考える。


 ですから、同じする人が
 なかなか出てこない。


 例えばガリバーは中古車買取り専門店です。
 本来、買い取った中古車は、
 自分で売ってしまえば儲けが大きいのに、
 オークションですぐに売ってしまう。


 これを寿司屋に適応すると、
 マグロを買ってきて、寿司にして
 自分で売るのが当然なのに、


 マグロを買って、そのまま他の寿司屋に
 マグロを転売するようなもの。


 売れ残りのリスクを減らして、
 確実に儲ける戦略と言われれば
 確かにそのとおりなのです。


・それだけでは一見して非合理だけれども、
 ストーリー全体の文脈に位置づけると
 強力な合理性を持っている(p318)


■多くの会社の例が示され、
 絶対正解の戦略はないと断言する
 潔さが印象的な一冊でした。


 一番いい戦略は、いろいろ小さくやってみて、
 うまくいったら大きくやる、
 という試行錯誤ではないでしょうか。


 うまくいくまで試行錯誤すれば、
 必ずうまくいくのですから。


 楠木さん、
 良い本をありがとうございました。


─────────────────────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・JT(日本たばこ産業)は数少ない新規参入企業の
 一つですが、製薬業界に参入した背景には、タバコ事業から
 毎日毎日上がってくる猛烈な日銭収入の存在があります。
 キャッシュリッチな企業だからこそ、大きな、しかも
 長い潜伏期間がある投資に耐えられるわけです(p93)


・店舗からは経験や勘、これまでに成功した仮説に
 かかわる情報が店舗指導を担当する「オペレーション・
 フィールド・カウンセラー」(OFC)を通じて
 本部に伝えられます。本部からもOFCを通じて、
 本部に集約されたさまざまな成功事例が店舗に
 フィードバックされます(p131)


・フォードは頑張りが利かないのが問題だ。
 しかし、マツダは何でも頑張れば
 なんとかなると思っている。
 マツダは何を頑張らなくてもいいかを
 はっきりしなければいけないし、フォードは
 マツダの頑張りに学ばなくてはいけない(p158)


・アスクルの戦略ストーリーでも、あえて
 意図的に既存の問屋・小売業者を取り込むという
 一見して非合理な要素が・・・競争他社に対しても
 重要な差別化の源泉となっていることがわかります(p345)


・ガリバーが1994年に事業を開始するまで、
 なぜ同じようなことをやる企業が
 現れなかったのでしょうか。(p408)


口で言うのは簡単ですが、ストーリーの全面書き換えは
 一般にきわめて困難です。・・・革命的なストーリーの
 書き換えに成功した企業の例・・IBM・・ネット証券
 の先駆的企業へと脱皮を遂げた松井証券(p459)


【私の評価】★★★★☆(85点)

■目次

第1章 戦略は「ストーリー」
第2章 競争戦略の基本論理
第3章 静止画から動画へ
第4章 始まりはコンセプト
第5章 「キラーパス」を組み込む
第6章 戦略ストーリーを読解する
第7章 戦略ストーリーの「骨法10カ条」


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