「公務員の異常な世界―給料・手当・官舎・休暇」若林 亜紀
2014/07/22公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
■内容の半分ほどは厚生労働省の外郭団体
労働政策研究所の内部告発となっています。
現在も独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)
として存続しています。
当時は、仕事は超ヒマで、
テニスコートと野球場のある職場で
楽しく本や雑誌を読んでいたとのこと。
・同僚から、「仕事はないから本でも読んでて」と言われました。
同僚は本当に雑誌を読んだりテレビを見ていたりします。
それが次の日も、次の週も、次の月も続きました・・・
さらに驚いたのは、そこまで暇でも、アルバイトの秘書が
一人ひとりについたことでした(p30)
■さらに著者が信じられなかったのは、
理事長の海外旅行。
予算消化のための無駄な備品購入。
さらに仕事にかこつけた
慰安旅行。
私には普通に思えますが・・。
・厚生労働省の研究所で働いており、同僚は備品費の管理を
していました。年間で4500万円を使うノルマがあります・・
190万円の車を買いました・・900万円の大型プロジェクター・・
富士通にLAN工事を頼んで3200万円・・
旅費も余っていたので、理事長は、
二月末からお気に入りの女性部下を連れて、
世界一周旅行に出かけました(p215)
■国の借金が1000億円を超えた今、
ツケを払うときがいずれ訪れることでしょう。
今の理事長くらいは
逃げ切れるかもしれませんが、
私を含めた40代以下の人は厳しいかも。
若林さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・労働政策研究所・・厚生労働省(旧労働省)の外郭団体です・・
「事務職で採用されたはずですが・・」・・
部長はこともなげに、「あ、君の人件費は研究員ってことで
国から予算をもらってるから、そう書かないとまずいんだ。
仕事はごくごく普通の事務だから、心配しないでいいよ」(p28)
・私のいた庁舎を探検してみると・・・
本格的な茶室がありました。・・
お風呂までありました・・
地下には床屋があり、男性職員は内線電話で予約をしては、
勤務時間中に堂々と散髪をしていました。
庭にはテニスコートと野球場がありました。
これでも東京都内の話です(p33)
・私たちの作文の内容は、ODAとして、「発展途上国の
労働組合に業務支援のためにファックス機器を送る」・・
「納品確認に行く」という口実で、職員が代わる代わる
観光旅行に訪れました。(p86)
・既婚で子持ちの女性たちがこう教えてくれました。
「家で子どもを育てるより、保育園に子どもを預けて
職場に来るほうがぜったいラクよ」・・・
そして、おしゃべりやカタログショッピングなどに
いそしんでいました(p59)
・民間人と結婚した公務員女性の間で、結婚後にほぼ全員が
行う特別な手続きがあります。それは、住民票の世帯主を、
夫から妻に書き換えることです・・公務員なら、通勤30分の
都内の築浅の物件を借り上げ官舎にして格安で住まわせて
くれます。扶養手当も・・互助会から、出産祝い・・(p62)
・東京都練馬区の「みどりのおばさん」の平均年収は
802万円(06年度)です。・・東京都町田市の給食調理員の
平均年収は728万円(06年度)でした。・・大阪市では、
年収1000万円をこえる清掃職員が何人もいます(p190)
・財務省によれば、05年度の国家公務員行政職の定年退職者の
平均退職手当額は、2714万円でした(勧奨退職を含む)。
また、地方公務員の平均は、都道府県が2649万円、
指定都市が2591万円、普通市が2485万円・・(p96)
・一般の行政職員が課長補佐で退職した場合、
退職金は2663万円、課長になると3298万円です・・・
事務次官で7594万円です・・
イギリスでは、02年から公務員の退職金がなくなりました・・
アメリカでは、退職金はありませんが、
公務員年金制度があり・・(p103)
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
■目次
四月―入庁式
五月―ゴールデンウィーク/メーデー
六月―ジューンブライド/衣替え
七月―夏休み
八月―サマーレビュー
九月―敬老の日/読書の秋
十月―引越し/体育の日
十一月―文化の日/海外からの視察
十二月―冬のボーナス
一月―成人の日
二月―議会
三月―春うつ/年度末
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