「自衛隊の情報戦」塚本 勝一

|

自衛隊の情報戦―陸幕第二部長の回想

【私の評価】★★★☆☆(71点)


■慰安婦関係で情報収集するなかで、
 実際に南京に従軍した塚本さんの一冊を発見。


 塚本さんは陸上幕僚監部第二部(情報担当)長、
 西部方面総監を歴任しています。


 中国大陸での戦いは、
 軍隊と住民の見分けがつかない中での戦いであり、
 誤って民間人を殺すこともあったようです。


 欧米なら「人間の盾作戦」とかいって
 非難するのでしょうか。


・敗残兵へ軍服を脱いで便衣(一般人の衣服)に着替え、
 難民や一般住民のなかに紛れ込む。日本軍が手薄と見るや、
 隠し持っている武器を向ける。(p48)


■南京事件にしても、従軍慰安婦にしても、
 完全に情報戦に完敗したとしています。


 国内外のメディアで、事実と違うことが
 報道されている。


 さらに、慰安婦への軍の関与を認めた「河野談話」は
 諜報の世界では、ゾルゲ事件並の成功事例では
 ないでしょうか。


・そもそも軍は、慰安所の設置、運営にまったく関与
 していない
のである。・・・衛生面では、軍医が
 定期的に性病の検診をしており、これは厳格であった。(p55)


■こうしたことは、やはり日本における
 広報、情報戦への理解が少ないためでしょう。


 アメリカでは、攻撃ヘリの攻撃画像が録画され、
 YouTubeで公開されている時代。


 オサマ ビン ラディン 殺害時には、
 特殊部隊からの画像が、
 ホワイトハウスで生中継されている。


 一方、日本ではスクランブルしても、
 敵機の写真しかないという淋しさです。


・日本軍の高級指揮官や参謀が、広報の重要性
 認識していれば、多くの外国人ジャーナリストを
 従軍記者として招待したであろう(p52)


■本日、「河野談話」の検証報告書について、
 衆院予算委員会が、政府から報告を受けるそうです。


 マスコミはどう報道するのでしょうか。


 塚本さん
 良い本をありがとうございました。


─────────────────────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・民間の業者が慰安婦を募集して遊郭を作り、
 それを戦地に設営することは、
 軍とはまったく関係ないことだ(p55)


・慰安婦問題の例を見ても、謝罪に謝罪を重ねて、
 ついには「河野談話」にまでなってしまった。・・・
 ここに記載されていることは、私、そして戦友たちが
 現地で実際に見聞したことと、まったく相反している(p63)


・「南京事件」では、広報、宣伝戦において
 最初から日本は完敗した。・・・
 まるで事実と違う内容の本が世界中に出回っている・・・
 それどころか、日本の大手メディアまでも、中国の宣伝に便乗し、
 ありもしないことを報道している。(p60)


・昭和12年7月29日に中国保安隊による日本人虐殺事件が起きた。
 犠牲者は軍人と在留邦人合わせて106名と記録されている・・・
 通州事件は・・とにかく凄まじいことで、いかに人を苦しめて 
 殺すか、そのことにかぎりない愉悦を見出すというのだから、
 大陸の民は恐ろしい(p46)


・敵と接触すると・・ほとんどオウム返しに「攻撃」と答える。
 「防御」などと答えた学生は落第である・・・
 私が学んだイギリス陸軍の参謀大学では、
 攻防の選択を「任務の達成の可能性によって決める。
 もし防御で任務が達成できるならば、防御を選べ。
 防御であると戦力が三分の一で済む」と教育していた。
 合理主義の国民性がうかがえる(p229)


・北朝鮮が核実験を強行した・・・
 日本に届く弾道ミサイルの実験をして、
 すでに配備を終えている。・・・
 今すぐ対処の方法を立てなくてはならないほど
 切迫しているのである(p231)


・人には、能力のシーリング(天井)というものがある・・・
 たとえば連隊長として優れた能力を発揮した人だからといって、
 次の段階の師団長としてよい成績を上げるとは限らない・・
 己のシーリングを超える職責には就かないほうが賢明である(p204)


自衛隊の情報戦―陸幕第二部長の回想
塚本 勝一
草思社
売り上げランキング: 172,508

【私の評価】★★★☆☆(71点)

■目次

1部 歴史に学ぶ
2部 「よど号事件」に見る危機への対処
3部 金大中事件にまつわる誤解、中傷に終止符を
4部 国防と情報のあり方を考える


この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキングに投票する
人気ブログランキングへblogrankings.png


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!



この続きは無料メールマガジン 「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』:1ヶ月30冊を超える情報をe-Mailで」でお読みいただけます。

無料メルマガ購読

>月別(2002年7月~)