「99%の社長がカン違いしていること」堀 龍市
2013/12/17公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(89点)
■税理士のアドバイスに従って、
経費を減らしていったら、
父の会社が倒産した・・・
というショッキングな体験から、
この本ははじまります。
中小企業は税理士と話す機会が多いので、
助言されることもあるでしょう。
しかし、
税理士に経営について助言してもらうのは、
船の技術者にクルーズ船の経営について
助言をもらうようなもの。
・税理士に言われたのが・・ムダな経費を削減しなさい・・でも経費の削減を始めると、会社はさらに悪い方向に進んでいきました(p4)
■父のような社長を出したくない!
著者は成功している社長を観察しました。
すると、税理士の助言とは
正反対のことをしていることを発見。
成功している社長は、
経費を下げるのではなく、
顧客を喜ばせることに集中していたのです。
顧客が喜ぶ→売上が増える
というわけです。
・成功しない中小企業の社長は経費の心配をしてエネルギーを浪費していますが、成功する中小企業の社長はつねにより売上を上げることに意識を集中しています(p66)
■徹底して顧客の声を聞いて対応せよ。
一倉定さんを思い出しました。
これが経営の本質なのでしょう。
堀さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・コンサルタントから『経費が多い』とか文句を言われるが聞き流している。彼らが目指すもの(利益)と私たちが目指すもの(患者さんが喜ぶこと)が違うのでかみ合わない。だから聞き流すようにしている(p24)
・ほとんどの人が会社を「利益を生み出すための組織」だと思っている。実はこれもカン違いで・・・「顧客を満足させることこそ、中小企業の使命であり目的である」そう考える会社はうまくいっている(p40)
・お客様が「この会社は世の中に必要だよね」と思ってくださって、スタッフが「この会社は好きだから長く働きたい」と思ってくれて、業者の方が「この会社とは長くお付き合いしていきたい」と思ってくださったら、必ず繁栄します(p80)
・成功している中小企業の採用基準は、・・・自社の経営方針である「お客様を喜ばせること」にどれだけ親身になって対応してくれるかを基準にしているところが多いです(p105)
・中小企業では、「社長の価値観に共鳴できる」という柱が通ったら、あとはバラバラであっても構わない、むしろバラバラであるべき、と私は考えています(p109)
・「成果を出した従業員に高い給与を払う」この方法は、努力に報いるという点では正しいですが、お金だけが従業員とのつながり、従業員のやりがいだと、その人はもっといい給料をもらえる会社に簡単に移ってしまいます(p102)
・まずお客様を増やす。これを一番に持ってこないとダメです。・・・「どんな会社か、お店か」をはっきりさせる(絞り込む)ことと、会社やお店について知ってもらうことです(p130)
・成功しているある歯科医院の先生は、「診療所の受付窓口のスタッフは、北新地(大阪の高級クラブの集まるところ)の女性の接客が必要」と言っておられました(p133)
・「下請けの割合を常に一定にする」・・・自社の売上の半分以上を1つの会社が占めることで、ほぼその仕入先の言いなりになってしまい、どんどん安売りを強要され、さらにそのスーパーからの注文が減ったことで共倒れしてつぶれた会社がたくさんありました(p140)
【私の評価】★★★★☆(89点)
■目次
第1章 税理士や経営コンサルタントに相談する会社はあぶない~「経営」のカン違い
第2章 経営者が数字を見る会社はあぶない~「会社の数字」のカン違い
第3章 「誰でも力を発揮できるマニュアル」のある会社はあぶない~「人材」のカン違い
第4章 ライバルに勝とうとする会社はあぶない~「戦術」のカン違い
第5章 社長が誰よりも働く会社はあぶない~「社長の考え方」のカン違い
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