「日韓併合の真実―韓国史家の証言」崔 基鎬
2013/10/31公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(82点)
要約と感想レビュー
ここまではっきりと、「韓国民は過去の歴史を正しく認識しなければならない」と書いた本をはじめて読みました。日本統治前の朝鮮は、李氏朝鮮と呼ばれ、両班(ヤンパン)といわれる高級官僚が、賤民(チョンミン)を徹底的に搾取していました。地縁、血縁によるグループで富を独占していたのです。
李氏朝鮮では両班たちは強い者が法を枉(ま)げて勝手に振る舞っても許され、弱い者を抑えつけて、弱者から奪うことが当然であると考えていました。自分のことだけを考えて、他人はどうであれ、いささかも顧みることがなく、それぞれの欲望だけを充たそうとしたのです。国が亡ぼうが、興きようが、自分だけが偉くなって、豊かになることだけを、第一と考えていたのです。
・日本では古代から人民は、天皇のもっとも大切な財産という意味で、「大御宝(おおみたから)」と呼ばれて大事にされた。・・中国と李氏朝鮮では、人民は搾取する対象でしかなかった(p47)
こうした李氏朝鮮が生まれた原因は、中国の属国として模倣したためです。小中華として、科挙制度を導入し、賄賂も導入しました。権力闘争と農民の搾取が続いたのです。これでは国家・経済が良くなるはずがありません。
李氏朝鮮が日本、ロシア、清など他国に支配されるのは歴史の当然であったのです。歴史は日韓併合となりましたが、李氏朝鮮時代があまりにも悪政であり、日本統治で韓国は発展した、というのが著者の結論です。
例えば、朝鮮人小学校の年間平均学費が一人7円30銭であったのに対し、日本人小学校の負担額は一人平均40円だったという。日本の敗戦とともに朝鮮人は、朝鮮人小学校を「朝鮮人を収奪して経営された学校」と罵ったが、これは間違いで、朝鮮が日本の税金を収奪していたのです。
・中国と同じように、役人と賄賂が一体になっていた。慕華思想といって、李朝が中国を師と仰いでいたのが、不幸なことだった(p38)
朝鮮人は日本は植民地時代に収奪したと批判しますが、李朝518年と、日本の朝鮮総督府時代と、1945年以後の南北分断時代の三つの時代を比較すれば、このうち、もっとも人口が増えたのは、日本支配の朝鮮総督府時代でであったという。
韓国人から「歴史認識」を求められて、こういう結果を伝えて理解できるのかと考えると複雑な心境です。もう少し、勉強を続けてみます。崔(チェ)さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・韓国で英語をはじめとするヨーロッパ語の辞書がつくられたのは、日韓併合後のことだった(p28)
・日本軍の高級将校であった、多くの韓国人が創氏改名を行わなかった。もし創氏改名が強制されたものであったとしたら、朝鮮半島出身の高級将校こそ、手本を示すためにまず名を改めさせられたはずである(p264)
・李氏朝鮮では「道(ド)」を尊んで、「器(キ)」を蔑んだために、実用的な学問はエリートにふさわしいものとみなされずに、見下されていた・・・李氏朝鮮は、日本と違って武(ム)を軽んじた(p28)
【私の評価】★★★★☆(82点)
目次
第一章 鎖国から開国へ
第二章 大院君VS.閔妃
第三章 溶解しはじめた李氏朝鮮
第四章 露日戦争と李朝終焉
終章 日韓併合が朝鮮民族を救った
著者経歴
崔基鎬(ちぇ ぎほ)・・・1923年生まれ。巣鴨高校卒。韓国・東国大学大学院経営科、ソウル大学付属司法大学院特殊法科課程修了。明知大学助教授、中央大学、東国大学経営大学院教授を経て、現在、加耶大学客員教授。民間レベルでの日韓関係発展につとめ、サハリン在住韓国人の本国往来問題、原爆被爆者の治療援助、在日韓国人の法的地位向上のためにも尽力。日韓文化交流協会顧問、富山県韓国交流推進アドバイザーなどを歴任
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