「ガットからWTOへ」池田 美智子

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ガットからWTOへ―貿易摩擦の現代史 (ちくま新書)

【私の評価】★★☆☆☆(69点)


■第二次世界大戦前の日本は、
 先進諸国に追いつこうとする発展途上国でした。


 しかし、1929年の世界大恐慌から
 世界の貿易は三分の一となり、
 各国は自国の経済のために保護主義に走りました。


 そうした中、
 なぜ日本だけが貿易差別を
 受けるようになったのでしょうか。


・同じ敗戦国である西独が、ガット誕生二年後に
 関税交渉会議に出席を許され、1951年に早くもガット加盟を
 果たしたこと・・・なぜこれほど扱いに差が生じたかを
 日本人は考えるべきであろう・・・戦後も日本は、
 世界の世論に触れられる場で訴えて説得していくだけの
 パブリシティに乏しかった
・・日本は、国際的誤解を解き
 理解してもらうにはさらなる努力が要る(p80)


■この本で指摘するのは、


 まず、日本が貿易輸出を伸ばし
 先進国に挑戦する唯一の国であったこと。


 また、中国への日本進出に伴う
 反日キャンペーンが広がったこと。


 そして、適正価格であったにもかかわらず、
 不公平なダンピングをしていると誤解されたこと。


 最後に、そうした誤解を解くための
 PRができなかったこと。


 最近まで、こうした貿易差別は、
 存在していたのです。


・中国は、当時の日本の交易にとって輸出入とも25%以上を
 占める良い市場であった。それが、日本の中国への「21カ条
 の要求」を、時の中央政府が受諾して以来、日本製品のボイコット
 -商品の不買運動
-が燃えあがった。特に満州事変以後は、
 この運動は中国全土に広がり、厳しい貿易障壁となった(p24)


■なんだか、現在の経済問題でも、
 地球温暖化の交渉でも同じようなことが
 続いているように感じました。


 それでも日本は、世界の貿易の中で
 生きていくしかありません。


 池田さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────────────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・米国は1949年のガット第二回の総会に、日本に最恵国待遇を
 与えることを同年の会議の議題にするように正式に交渉したが、
 またしても拒否された・・・日本は戦前に「不公正競争」を
 したから、それをまたするに違いないという諸国の声が
 まだ大きかった(p65)


・米国は、日本のガット加盟のための提案をした。
 日本の交易相手のガット加盟諸国と交渉し、それら諸国の
 米国市場への輸入品に対する規制を、何品目にもわたって
 関税譲許(引き下げや据え置き)を米国がするという・・・
 日本のガット加盟交渉に、米国が肩を貸したのである(p75)


・ケネディは生きている・・・1962年1月にケネディ大統領は
 議会に教書を送り、大統領に関税引き下げの大幅な権限を与える
 通商拡大法の必要を説いた。同法はただちに成立した・・・
 翌63年5月半ばに、ガット閣僚会議が開かれた・・・(p105)


・ガットに加盟しても、多くの締結国からガットの一員として
 扱ってもらえなかったことは、日本にとって頭の痛い懸案であった・・・
 第三五条の対日適用の撤回のために日本の代々の当事者たちが
 尽くした苦心と努力、それを支えた日本人以外の人々の行為は、
 日本人の間にさえあまりにも知られていない(p102)


・貿易に競争はつきものである。転じて、競争があれば摩擦が
 起こる・・・人は個人の欲を捨て去ることが至難であるように、
 各国はそれぞれ自国に有利な解決を図り、生きのびようとするので、
 通商過程に理解の衝突が生じるのは当然である(p199)


ガットからWTOへ―貿易摩擦の現代史 (ちくま新書)
池田 美智子
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【私の評価】★★☆☆☆(69点)

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■目次

第1章 ガット・WTOの役割
第2章 第二次世界大戦と保護貿易
第3章 ブレトンウッズ体制とガットの生誕
第4章 日本のガット加盟
第5章 差別される日本
第6章 ケネディは生きている
第7章 東京ラウンドと非関税障壁
第8章 ウルグアイ・ラウンドとWTO設立
第9章 WTOと日本


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