「誰も書かなかった「反日」地方紙の正体」産経新聞出版
2013/05/19公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
要約と感想レビュー
「新聞はウソを書く」といきなり言われるとびっくりしますが、その原因は共同通信社にあります。多くの地方紙は、中央の情報については共同通信社の配信記事を参考に記事を書いているのです。
地方紙の元論説委員長は、「社説は委員長ひとりにすべて任され、県内のテーマを取り上げるとき以外は、社説・論説のための参考資料として共同通信社から配信される『資料版論説』をほとんどそのまま掲載していた」と告白したという。その元となる共同通信社の記事が、反日に歪曲されているのです。
実際、2010年5月3日付の山形新聞、茨城新聞、岐阜新聞、長崎新聞は中身が全く同じで、元ネタは共同通信が2010年4月30日付で配信した「今こそ憲法を考えよう」という吉田文和氏の署名論説を丸写ししているのです。愛媛新聞は県民性と真逆の「ミニ朝日」「赤旗愛媛版」と呼ばれているという。
・新聞の社説は、占領時代から形成された戦後的価値観を守ろうとする朝日・毎日型と、そうした戦後パラダイムを改めようとする読売・産経型に分かれます。共同通信の論説資料は厳密な意味で社説ではありませんが、その傾向は朝日・毎日型に近いといえます(石川水穂)(p49)
この本では、歴史教科書問題、日韓両国が領有権を主張する竹島、南京大虐殺、従軍慰安婦の強制連行、日本の植民地支配、反原子力などが共同通信社から配信されていることを示していきます。正確には、日本固有の領土でありながら、韓国に不法占拠されている竹島、日本の朝鮮・台湾統治、なのですが、恣意的な記事を共同通信は配信しているのです。
共同通信や朝日新聞は竹島問題について、「日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)」と記載しています。決して「日本固有の領土でありながら、韓国に不法占拠されている竹島」という事実は表記しないのです。
そういえば、「沖縄はゆすりの名人」と、ケビン・メア氏を貶めたのも共同通信の石山永一郎記者でした。共同通信社の闇は深いようです。産経新聞出版さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・わが家では昭和になっても子供が新聞を読むことを禁じた(中略)新聞はウソを書く、ウソでないまでも誇張して書く、好んで醜聞をあばく。大人は割引いて読むからいいが、子供は真にうけるからいけないと禁じたのである(山本夏彦)(p2)
・共同通信は、報道機関としての良識をかなぐり捨てて、なりふりかまわずに扶桑社の採択妨害と教科書たたきに狂奔した。(藤岡信勝)(p70)
・霞が関のある役人から「情報を流すなら共同通信一社に流せばいい。そうすれば結局はすべての新聞に同じ情報が載るからだ」とまで打ち明けられたことがある(安藤慶太)(p80)
・ある地方紙の幹部と面談した際・・・幹部は「我々は県庁の主を決めることができる」と見当違いの誇りを語った。また別の地方紙の局長は「県庁に行けば下にも置かない扱いを受ける。県紙に何と書かれるかで彼らの出世も決まる」と昂然と言った。何とも心得違いではないか。(日下公人)(p282)
【私の評価】★★★☆☆(74点)
目次
第1章 地方紙を操る共同通信
第2章 一体どこの国の新聞か
第3章 トンデモ地方紙ウオッチング
第4章 「反日」新聞の行く末
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