「俺のイタリアン俺のフレンチ」坂本 孝
2013/04/10公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(96点)
■ブックオフの創業者が、
またやらかした!という一冊です。
坂本さんは、立ち飲み居酒屋+ミシュラン星付シェフを
組み合わせた飲食店を立ち上げました。
1万円のメニューを作っていた一流シェフが、
同じものを1000円で提供してくれるのです。
・新業態に、立ち飲み居酒屋とミシュラン星付きシェフを
合体させると決めた時、安田さんが、
「じゃあ、ちょっと計算してみましょう」
と電卓をたたきはじめました・・・
店が4回転するのであれば、フード原価率を88%にしても
チャラになるということです(p30)
■坂本さんの発想は、逆転の発想です。
1回転を前提とした高級フレンチを
4回転させることで、
3分の1の値段で提供する。
中古本なら本の価値ではなく、
きれいな本を一律に買い取る。
だれでも思いつきそうですが、
常識をぶち壊す発想であり、
できないことなのでしょう。
・従来の古本屋さんとは真逆に、目利きは存在せず、
本がきれいかきれいじゃないかで、ブックオフ独自の
価値基準、判断基準をつくろうと考えたのです。
その一つが、仮に定価1000円のきれいな本を、100円
で仕入れて、500円で売るという基本です(p103)
■坂本さんでも、起業家としては、
13戦3勝であるということです。
成功したのは、
中古ピアノ販売、ブックオフ、俺のイタリアン。
坂本さんは、起業家として天才であり、
成功されていると思いますが、
それでも起業というものは、
難しいことなのでしょうか。
・「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」は、
私のビジネス人生において13戦目の事業です。
これまでの12戦について振り返ると、勝敗は2勝10敗でした。
そのうちの1勝が中古ピアノの販売で、
もう1勝がブックオフです(p86)
■経営書として、起業の書として、
お奨めできると思います。
経営とはある意味、事業を通じて
よい方向に人びとを導く仕事なのかもしれません。
坂本さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・トリュフをふんだんに使用したリゾットの上に
大振りのフォアグラを1枚載せたもの。1100円です。
原価率62%という"じゃぶじゃぶ"掛けたもので、
たちまちにして人気No.1メニューとなりました(p46)
・料理人のみなさんは一様にこう述べます。
「これまで、原価率、味、労働時間など、
妥協しなくてはならないことがあった」
だからこそ、「『俺のイタリアン』では、
妥協のない本物を提供しよう」(p49)
・当社では、店舗での裁量権を料理人に与えています・・・
開店当初と比べると、生ハムの仕入れ値は2分の1くらい
安くなりました。いい料理人というのは、おいしい料理を
つくるだけでなく、信用のある業者さんとのおつきあいがあって、
きちんとしたよい材料を仕入れる価格交渉力を持っている
ことに気づきました(p69)
・わが社では現在、銀座8丁目に集中して出店していく方針を
とっています・・・同一エリアに集中出店して自社間競争をするのは、
それが切磋琢磨につながりよい効果をもたらすことでしょう(p82)
・「つべこべ言わずにやろう!」
思い切りがなければ、新業態は怖くてできなかったでしょう。
・・・すべてを借金ではじめるのではないという、
少しばかりの精神的な余裕もありました(p34)
・「古本で儲けてやろう」とブックオフを始めた私でしたが、
稲盛フィロソフィーに出会ってから、「ここで働く人の
物心両面の幸福を追求するために会社があるんだ」・・・
ブックオフコーポレーションの骨格が出来上がっていったのです(p132)
・料理人のお給料は、日本にいる料理人で、かつて
海外で活躍して名声を得ている人でも、
年収が600万~700万円というのが実態です(p200)
商業界
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【私の評価】★★★★★(96点)
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■目次
第1章 希代の繁盛店「俺のイタリアン」誕生
第2章 2勝10敗の事業家人生
第3章 ブックオフがNo.1企業になれた理由
第4章 稲盛和夫氏の教えと、私の学び
第5章 「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」は進化する
第6章 「物心両面の幸福を追求する」決意表明
第7章 業界トップとなり、革新し続ける
読んでいただきありがとうございました!
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