「他力」五木 寛之
2012/12/10公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(72点)
■阪神・淡路大震災の後、
20世紀末に書かれた一冊です。
他力とは、単に<他力本願>
という意味ではありません。
まず、自分で究極に
自立で努力する。
その先に、結局は、
「すべてのおかげさまである」
ということがわかる、
ということです。
オリンピックのメダリストが、
関係者への感謝の気持ちを話します。
建前もあると思いますが、
本心からの言葉でもあると思います。
・<他力本願>とは、安易な<他人依存>とは
根本的に違います。・・・
すべてに頼ることを捨てることから発する、
真の自力の確信こそ、<他力本願>の姿です(p50)
■当時から、日本の自殺者は
二万人を超えていました。
今は三万人を超えています。
今こそ救いを求めている。
今こそ<他力>が必要ではないか
ということでしょう。
・日本の自殺者が年間二万数千人に及んでいることです。
阪神・淡路大震災のじつに四倍の人々が、
みずからの命を絶っています。
これは救いを求める現代日本人の魂の叫びです(p183)
■<他力>とは、
まず、自分を許す、ほめてあげることから
始めることです。
自分は十分、生きてきたではないか。
そこから自分のやれることを
やっていく。
その結果、神か仏か、
思いもつかない成果が出る
ということなのでしょう。
東日本大震災の今も
同じような風景なのかもしれません。
五木さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・「ただ、念仏せよ」
と、法然は語り続けました。・・・
とにかく「南無阿弥陀仏」と唱えなさい(p30)
・自分を信じ、自分を愛することから
始めるしかないのではないか(p67)
・生きることそのものが大変なのです。
五十年、六十年生きたという人は、
もうそれだけでほめてあげてもいい。(p67)
・あのときの演技は、自分がやったのではなく、
神か仏か、自分を超えた力が
後押ししてくれたとした
感じられなかった。(p76)
・バブルの絶頂期に、司馬遼太郎さんは、
「日本の資本主義は、この先数年のうちに、
根底からひっくり返るよ」
と指摘していました(p124)
【私の評価】★★★☆☆(72点)
■目次
目次
1 <他力>、という不思議な感覚
2 「できないものはできない」と思う
3 <非常時>を生きぬく強い思想
4 <本願他力>こそ生命力の真の核心
:
:
97 人間の復興と魂の再生
98 ふたりで歓べば歓びが二倍になる
99 先見性のある宗教家
100人の悲しみを大事にすること
読んでいただきありがとうございました!
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