「社長は会社を「大きく」するな!」山本 憲明
2012/11/04公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(76点)
要約と感想レビュー
10人以下の中小企業専門の税理士さんの一冊です。私の父の会社も10人以下だったな、と思いながら読みました。まず、中小企業は、存続する、利益を上げ続けることが至上命題です。いかに少ない人数で大きな利益を上げるのか、ということです。
その指標が「一人あたりの粗利」となります。この数値を常に意識して、会社をコントロールしていくということなのでしょう。原価率が低い事業ほど、粗利は高くなるのです。
・総務・経理といった間接部門の社員が増えると、その方は売上に直接関係してきませんので、1人当たりの粗利は減ってしまいます。(p26)
小さな会社では、経営者(兼投資家)は自分で手を動かしてお金を稼ぐことではありません。「会社の方針を考えること」と、社員を通じてその方針を実行に移せる仕組みを作ることなのです。
また、ある程度会社が安定し、手がかからなくなったら、どうすればよいのでしょうか。これは人生設計の問題です。いつ引退するのか。いつ死ぬのかを考えるのです。社長さんなら、サラリーマンと違って、自分で自分の運命を決めて進んでいくことができるのです。社長だからこそ、未来を自分で作り上げていかなくてはならないのです。
・サラリーマンを辞め、独立するということは、自分の人生に、常に主導権を持つ立場になるということ・・・理想をいえば、「やりたいことだけをやって生活する」のを目指しましょう(p236)
少子高齢化、公的債務の累積。もはや日本に高度成長は期待できません。その中で、自分の会社を維持し、自分の人生と社員の人生を作り上げていくことが、社長の責任なのでしょう。
山本さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・原価率の低い業種を選ぼう・・・
コンサルティング・士業 ほぼ0%
飲食業 25~35%
小売業 60~80%(p79)
・ポイントは「給与4:経費4:利益2」です(p107)
・「節税」するほど、会社は腐る・・・税金をしっかり払ったほうがいい・・(p128)
・預金は、「日本円への投資」と同じ(p166)
【私の評価】★★★☆☆(76点)
目次
序章 「大きくて勢いのある会社」の正体!
第1章 会社を大きくしてはいけない「4つの理由」
第2章 小さくても儲かる会社、「7つのルール」
第3章 儲かる会社の「儲かる仕組み」
第4章 できる経営者の「お金とのつき合い方」
第5章 余剰資金を「投資」して、お金を守る
第6章 会社を「小さく」して、大きく儲ける!
第7章 起業・新規事業を成功させる5つのコツ
第8章 経営者の本当の幸せを考える
著者経歴
山本憲明(やまもと のりあき)・・・税理士。山本憲明税理士事務所代表。1970年生まれ、早稲田大学政治経済学部卒。大学卒業後、横河電機株式会社に入社。朝時間の活用を思いつき、「朝・1時間で集中して物事にとり組む」という生活スタイルを確立。その発展形として「朝1時間シート」を生み出す。「残業ゼロで帰れるようになった」「朝の時間に集中して仕事をする」「仕事に必要な新しい知識を効率よく得る」「早寝早起きの習慣を守り、仕事とプライベート充実させる」ために「朝1時間シート」を続けている。
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